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後悔ってのは後から悔やむから後悔って言うわけで、まぁつまり後の祭りってやつだ。
大魔王様のお説教コースが確定された中で、放課後また顔を見せに来た朝生田と一緒に噂のケーキ屋へ行く。少し列ができてはいたが、待ち時間は少なくて済みそうだ。…ただ、圧倒的に女が多い。男2人で並んでんの俺らだけかも。こう言うとこ行く機会ないから知らなかったが、こんな、女オンリーみたいな店に男1人で行くのはそりゃあ気まずいわな。
「やっぱ男だけで来んのは目立つなぁ…」
先から前と後ろ両方からチラチラと視線を向けられてて、朝生田が苦笑いを零す。言うに今までは1人で行こうとしていたがこの空気に耐えきれず断念していたらしい。1人ではなくなったことで多少は楽になったってことか。
朝生田の鞄は今日が初めて見たが、それはもう大量に兎がいた。好きなのは本当らしい。よく見たらピアスも兎。スマホのカバーも兎だった。どんだけ兎が好きなんだ。
「兎可愛いと思わない?」
「……そう?」
「そう!」
俺が好きなのは熊だから、他の動物は考えたこともなかった。まぁ、小さくてころころしてるところは確かに可愛いかもしれないけど兎は別にそこまで…。
「狂ちゃんは熊に夢中って訳ね…。…あ、家にテディベア大量にあるからさ、いる?あげるよ」
「…え」
「キーホルダーはあるみたいだし大きめのとか?サイズ要望があれば探して持ってきてあげる」
熊のぬいぐるみ…。罠じゃないならほしい…けどこんなこと言ったら愁に怒られそうなんだよなぁ。「また熊でつられやがって!」って。ごめんなさい。でも熊に罪はないから。
「こんくらいの」
「置物サイズ?はいはい」
手で円を描きサイズを表現する。キーホルダーサイズでも、抱き枕サイズでもない。恐らく中間サイズ。ついでで生地は薄めの茶色が良いと注文。目が茶色に近くても良いな。まぁ、そこはこいつのセンスに任せよう。
「お待たせしました。何名様でしょうか」
やっと俺らに順番が回ってきて、人数を尋ねてきた店員に朝生田が2人だと指で伝える。それに一瞬驚いた顔をしたのは見間違いではないはずだ。悪かったな男だけで来て。これなら舞那ちゃんとか誘うんだった。
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