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「でも熊欲しいなら言ってくれれば買ってあげるのに」
そう言うところは涼らしいなって思うよ俺。欲しいって言ったら明日本当にくれそうだもん。でも別に俺涼を財布として見てるんじゃないから。熊のぬいぐるみは確かに可愛いから欲しい…けれども。今回は譲ってくれるって言ったから、それなら欲しいな、って感じ?
あれも欲しい、これも欲しいって訳じゃあないんだ。あるなら欲しい。ないなら良い。俺は今まで涼にもらってきたものでもう満足してる。
「…赤潮わかめからもらうくらいなら俺が買ってあげる」
…ってことを言っても涼は納得してない表情だ。このままじゃあ通販サイトを見て熊を注文しそうだ。だから買ってもらう、と譲ってもらう、は違うんだってば涼。
「椿先生嫉妬深…」
「熊に嫉妬してんじゃねぇよ」
「吉柳お前今年の内申覚悟しとけよ」
「3年の内申は重たいんですよ?!!しかも何でいつも俺だけ??」
どうすれば涼は分かってくれるのか、と考えていたら、隣からそんなご指摘が。琉生は後が怖いからかボソボソっとだったけど。それでも大魔王様にはばっちり聞かれてたようで。
嫉妬、熊に嫉妬?…えっと、じゃあ朝生田から貰うくらいなら俺が買うって発言は、先の「欲しいなら言ってくれれば良いのに」って意味じゃあなくて朝生田への対抗心?
俺があげたいのになんでお前があげてんだ、みたいな?何だそれ、可愛い。
ボソボソっとでもばっちり涼の耳に届いていじめられてる琉生には悪いけど、そんなことで独占欲を見せる涼が凄く可愛く見えた。
「涼かわい」
「む…」
自分があげたものじゃないと嫌だって、凄く行動が制限されて窮屈に感じる人もいるんだろうけど、俺はそうは思わない。その行動には自分があげたものだけで相手を喜ばせたいって気持ちが隠れてると思うから。多分、涼は朝生田からもらったものが熊とか、俺がもらって凄く嬉しいって思う奴じゃなければこんなこと言わなかったんだろう。
だから、こんなことで嫉妬してしまう涼が可愛くて大好きだ。…うーん、ちょっと子供っぽくて?本当、琉生には悪いけど。
「俺涼から貰った熊が1番好きだから」
とっくの前に1番なんだから嫉妬する必要も、対抗しようとする必要もないのに、って伝えるとやっと納得してくれたようで、今度は気分が良さそうな顔をしだす。そんなところも可愛くて好き。
「じゃあ一杯熊あげる」
何と、そう来たか。…やっぱ涼嫉妬とか、そう言うの関係なしにちょっと財布のチャック緩いのかもしれない。
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