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朝生田が顔を見せなくなって1週間が経った。ここまで来ないのは珍しかったが、忙しいんだろうと片付けていた。…のだけれど、体育祭の合同練習でもそいつの顔…っつーかあの凄ぇ目立つ赤い頭が見つからなかった。
「なぁ」
「え、は、はい…っ?!」
気になってみたから集会で朝生田の側にいた気がする女子に聞いてみた。ビビられてるのは気のせいではない気がするから簡潔に。
「朝生田は?サボってんの?」
「え、茜君?…えっと…茜君は、最近学校に来てなくて…」
「…はぁ、そうなの?」
「え、は、はい…っ」
サボりかと思ったら学校にすら来てないようで、曰、前集会があった日以来来てないらしい。連絡先を知っている人が朝生田にメールしても返事はなく。それはもうぱったりと、何の前触れもなく姿を消したそいつ。
休んでるのは体育祭の練習が多いから面倒、とかそんな理由ではないと思う。あいつ楽しみにしてたし。あれは本心だったと俺には感じたから。
と、なると考えられる原因として浮上してきたのはあの日の電話。あれが一番怪しい。内輪で何かあったか。…何て本当にそうなら俺がそこまであいつを気にする必要はないのだけれど。
「あ、の…先輩?」
「ん…?嗚呼、ありがと」
おどおどしているその子に声をかけられ我に返る。つい考え込んでしまってた。用はこれだけで、これ以上怖がらせるのも悪いと思って、「それだけだ」と話を切り上げて相手の頭をぽふぽふと撫でる。
と、相手がキョトン、とした目をしてきて。何が駄目だったのか分からず俺もキョトン。隣から愁と琉生のお2人に撫でてる手を指摘され、やっと意味を理解した。
「…悪い」
つい癖でやってしまってた。何かあれば涼の頭を良く撫でていたから。そうか、普通は頭撫でたりしないよな。癖って怖い。慌てて手を離して謝る。
「い、いえ…っあの、それじゃあ」
「嗚呼…?」
その子はペコリと頭を下げると俺から逃げるように友人なのであろう子の方に行ってしまった。逆に怖がらせた?何かごめん。許して。
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