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昼休みが終わりそうな頃、涼に呼び出され今日は使われてない実験棟へ向かう。去年は体育館裏だったけど、去年に比べたら暑いから冷房が効いてる自分の城…基理科室にしたんだろう。
「涼」
「んー…?」
既に理科室にいて、携帯についている以前俺があげた狼のキーホルダーを弄っていた涼に声をかける。そうしたら涼がほわわんって嬉しそうにして、俺に歩み寄ってきた。
「昴流」
「っうわ…」
そんで、ぎゅうって抱きしめてきた。すりすりとしてくる涼はどうやらお疲れモード。疲れたら甘えてくるこの人の頭をよしよしと撫でてやる。
「お昼もう食べた?」
「ん、食べた」
「…そっか」
あ、しゅんってした。どうやら一緒に食べたかったらしい。ごめん。こんなに残念そうにされるとは思ってなかった。自分の弁当も作っとけば良かったな。
「次俺が出る種目まで一緒にいれるからさ、な?」
「…ふふ、じゃあ許す」
涼様に何とかお許しをもらえたので、俺も涼の隣の席に座る。
弁当袋から弁当を取り出して、箱を開けると涼の頬が緩むのはいつものこと。本当に俺が作ったご飯が好きなんだって伝わってくる。
「ふふ、今日は可愛いね。見た目とか、彩りとか」
「皆がリクエストした奴ばっかり作ったらそうなった」
今日の弁当は体育祭バージョンだ。
切り込みを入れたウィンナー、卵焼き。串を使って小さく切った色んな具材を一口サイズになるように積み重ねてみたり。皆の分と一緒に作ったせいもあっておかずの一つ一つは取り皿を使うのを前提にした小さいのが多くて。まぁ、こんなにいつも手をかけて作る訳でもないしたまにするのは楽しくて良い。
「…あ、涼は特別だからな」
涼がもきゅもきゅと食べているのを見ていると、まだ渡してないものがあるのを思い出して、持っていた保冷バックのチャックを開けて、中身を渡す。
「午後も頑張って」
果物を一杯使ったゼリー。小さく角切りにしたそれが、光に反射してゼリーが色んな色になるから綺麗で、結構な自信作。流石に全員分保冷しとかないといけないものを持っていくのは難しかったから涼にだけ持ってきた。頑張る涼にご褒美?
「…涼?」
俺は結構可愛くできた気でいたんだけど、涼はぽけぇってしてる。果物無理…ではないと思うんだけどなぁ。涼甘いの好きな方だと思うし?
「…っ」
どうしたんだと顔を覗いていたら、瞬間涼からキラキラと大量の星やらハートが。眩しい。眩しいぞ涼。ちょっとそれ抑えようか。
「ふふ…ありがと天使ちゃん」
それはもう本当に嬉しそうに。ふにゃりと笑った涼の顔からは疲れなんか吹き飛んでる。良かった。元気が出てくれたのは良かった。だからそろそろキラキラをしまって。
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