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「…あ、そういや朝生田は?学校きてんの?」
先までの話で一瞬名前が上がっていたそいつが1週間、俺らに顔を見せなかったのを思い出し、実際どうなのか涼に聞いてみると、涼は物凄く嫌そうな顔をした。できればそいつの話題はしたくない、って顔に書いてある。
「…来てないよ。体育祭の打ち上げには行ったみたいだけどな。そっから連絡すら取れないってあいつと同じクラスのやつが言ってた」
「へー…」
「良く分かんねぇけど、携帯の電源切られてるみたいで?家に電話かけたやつもいるみたいだけど、そっちはそっちで繋がりはするけど留守電に」
…あ、これ思ってたよりも深刻?家にも連絡つかないって。親がいない時間帯だったのかもしれないけど、それってつまり「関わんな」って朝生田のメッセージのような気がしてならない。
…あいつが学校に来ないのって、やっぱあの時の電話が理由?……って、打ち上げ以降来てないならそれしかないか。
「もし、このまま音信不通で長い間学校来ないとなると親に話聞くしかないけど、俺あいつの担任じゃないしなぁ。流石に?て言うか担任の奴も把握してないっぽいかな」
まぁ…そうだわな。担任じゃないし、そもそも担当の学年が違うし。朝生田のことなんて涼の知る範疇でもないし、だからと言って涼が特別気にしてやる必要もない。親に話聞くのは担任のやることだろうし。その担任が分かってないんだから尚更関わりがない涼は知らないよな。
「昴流に何かするつもりなら俺も考えるけどな。今のところ大丈夫そう?」
「え、う、うーん…?多分…?」
ピアス外したし、朝生田と外で会わない限りは大丈夫だとは思う。まぁ、元々学校外でも話すほど仲良い訳じゃないしなぁ。
「あいつが変な動きしたら俺に言ってね。疑わしき種は早急に殺ー…摘まないと」
「不穏な単語が聞こえたけど?」
「気のせい気のせい」
否、気のせいって言うにははっきりと言ってたけど。言い直してはいたものの、どう考えてもそれ『殺す』って言いかけてたよな??殺すのは止めような涼。大魔王様発動したら駄目、絶対。
朝生田なぁ…。もう既に怪しさ一杯だよなぁ…何て言ってしまえば涼に殺されてしまいそうだから口にはしないけれども。
まぁ、朝生田が怪しいのは最初からだし、あいつが学校に来てない以上俺的には、朝生田のお仲間の方が気になるな。お仲間と会ってる時に、俺と愁のことを話してるかは分からないけど、朝生田と違って会ったことなんてないから外で会っても逃げようにも逃げれないし。それに、何か揉めてたしなぁ…?朝生田無視して単独行動で俺らに絡んでくるかもしれないし。正直朝生田よりも朝生田の仲間の方が危険。だからこそ、なるべく中学の時自分の特徴になっていたものを避けているんだけど。
「あんま人通りが少ないところにいかない限り大丈夫なんじゃない?それは」
「うーん…」
「仲間にあったらヤバイかも」って旨を涼に伝えると、そんな回答が返ってきた。
普通に考えればそうだよな。明るい時間帯、人通りの多い場所。そんなところで問題を起こす馬鹿はいない。なるべく外出は明るい内に、だな。
「バイト送ってあげようか?」
「え…、大丈夫」
涼の提案に幾らなんでも断る。涼だって仕事があるんだから。俺がちゃんと気を付けてれば良い話だから。
「バイトもちょっと減らすつもりだから。ありがと」
「…んー…遅くに帰らないようにね。連絡は勿論怠らないように」
「分かった」
「あー、でも…前は連絡とってて駄目だったからなぁ…。今回は遅くまでいるつもりなら俺じゃなくても逢坂さんにでも送ってもらって」
「う、うん…」
この地域にずっと住んでるんだし、夜には昔入り浸ってた訳だから、特に夜中のここら辺の土地勘は備わってて、安全なルートを通って帰れる自信はあるけれど、涼の妥協案にも説得力があるので頷いた。連絡を十分に取っていたにも関わらず、絡まれたことはあって、しかも車椅子生活を送らなければいけなくなったんだから、確かに連絡だけじゃあ足りないよな。はい、優さんの店に来た兄貴と一緒に帰るか、優さんに送ってもらうなりします。
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