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いつも家に一旦帰って学校に行っていたから気づかなかったけど、涼はかなりエンジンがかかるのが遅いらしい。朝御飯食べて10分くらいコーヒー飲みながらのんびりして、用意するのもバタバタする平日の朝とは思えない程休日を思わせるようなゆったり具合で。1時間半も準備に使うだろうかと思っていたんだけど、涼が用意できたのはその10分前で、いつもこの時間帯くらいに家を出ていると言ったのは嘘ではなかったらしい。
「涼思ってたよりものんびりさん」
「んー…そう?」
そう、って言わなければ俺の兄貴はどうなるんだろう。時々寝坊して、そうじゃなくても俺のお気に入りのネクタイがないとか、サングラスがないとか、カフスがないとか。毎日毎日ないないないと俺に泣きついてきて余裕を持って起きてきた筈なのにいつも家を出るのはギリギリだ。涼のペースが普通なら兄貴は異常扱い?…否、うん、時々慌ただしいなぁと思うことは確かに俺もあるけれど。
「流星さんと俺を比べたらそう見えるよね」
…って、俺が兄貴のことをいったら涼が笑いながらそう返してきて。あっこれ、兄貴今ディスられた?軽く、かるーくディスられた?
「流星さんの朝は普通に想像できるね。寝癖直らないって泣いてそう」
涼の中の兄貴のイメージって。否、当たってるけど。時々そんなこと言ってるけど。
「昴流は逆におっとりさんだから2人の中間が彗だよね。あいつは結構そこら辺きっちりしてるな。俺なんか中高の時遅刻してきたら良く怒られてたし」
「へー…」
その情報は初耳だ。遅刻してきた涼を怒る兄さん。何か、お母さんみたいで微笑ましい。
俺と兄貴の中間が兄さん…うーん、俺は自分がおっとり?のんびり?してると思わないけど、しっかりしてるって面では兄さんは長男らしいのかなぁ。
「俺が学校サボったら朝ご丁寧に『来るのか来ねぇのか連絡くらい入れろ』って連絡来てさ。『来い』じゃないのが彗らしいけど、朝からそのメールだよ。俺が休んだ日に教師に色々俺はどうしたって聞かれたんだろうけど笑えるよな」
「……兄さんっておかあさ」
「それ、彗に言ったら彗凄い嫌な顔するよ」
涼の話を聞いているとますます兄さんが涼のお母さんにしか見えない。が、当の本人はそう言われるのが嫌ならしく。そういえば、身体測定の時「世話がかかるから嫌」って言ってな。その発言がお母さんな気もしなくはないけど、それは口にするのはやめて胸にしまっておこう。
「晃もちょっと世話焼きだったな。…何故か俺の傍に残ってくれた奴はそんな感じでさ。変わったやつが残ったとも言うな」
そうなのか。それを聞くに涼の友達は全員親気質?心配性?あ、ちょっと面白そうかも。普段大魔王様大魔王様って言われて怖がられてる涼が友達には怒られて、心配されてるって。1回見てみたい気もしなくはない。
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