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「っひ゛…?!…ってぇ゛…」
「…あん?いてぇの?わんちゃん結構ドMだと思ったんだけどなぁ…。こんなとこにピアス付けるくらいだし?」
「っい゛…ぁ…」
突然、何を思ったのかぐりん、とピアスごと胸の突起を捻られて痛みで目頭が熱くなる。そんなやり方、痛いに決まってるだろと言う目で相手を睨むが、男は一切反省しておらず今度は力任せに引っ張ってきた。
俺は別にMなんかじゃない。この状況で喜ぶこともなければ、痛みに快感を覚えたりもしない。大丈夫なのは、気持ちいいのは、涼だからだ。
「…なァツキ。お前胸触っといてくんね?」
「…メア。あんたはどうすんだ。飽きたとか言わないよな」
俺が痛みで顔を歪ますと、パッと手を離してツキに任せる。どうやら「メア」とも仲間の間では呼ばれてるらしい「リーダー」は、「まさか」とツキの疑いを否定した。
「あーちゃん、悪ィんだけど一応"あれ"持ってきといてくれよ。感じてもらわねぇと困るからなァ…」
「前誰かが切れかけてるってぼやいてなかったか?」
「マジィ?ンじゃあクレトも一緒に探してきてくンね?無かったら考える」
「はいよ」
使いを頼まれた「あーちゃん」と「クレト」は、部屋から出ていく。「切れかけてる」って発言から察するに誰かが普段から使ってるもの…だよな。一体何だろう。いいものでは無いと思うけど。
「…1回外すぞ」
「…っあ…?」
「ツキ」って奴がどういう訳かしっかりと俺の手首とソファの足を繋げていたロープを一旦解く。先あんなに睨んでも外してくれなかったのに。何か企んでいるに違いない。ツキを動きを警戒して体が強張る。
「…っぇ、…な?」
けれど実際はぎちぎちに縛り直されるわけでもなく、殴られるわけでもなく。ただ俺を起き上がらせて先まで俺の頭があった場所に座っただけ。そんでまた寝ろってことなのか、無理矢理状態を倒された。そんで今度は緩く足に繋げて終わり。頭が乗っかる場所が若干硬かったソファから柔らかい太ももに変わっただけでツキがそれ以上何かしてくる気配はない。「たったそれだけ?」と驚きを隠せないが、それは意外にもお仲間もらしい。ツキの行動に丸くした目を弧にすると「…へぇ、紳士だねェ」とツキを称賛……基挑発した。
「……そんなんじゃねぇよ。場所とんだろ。…ほらさっさとヤんぞ」
「…ん…、っ」
しかしツキはそんなメアの煽り文句に慣れっこらしく、あまり気にする様子はない。挑発を受け流して、ツキは俺に触れてきた。
それは、レイプとは言い難い優しい手つき。乱暴にしてきたメアとは違い、"愛撫"そのもの。もっと言えば、『恋人』相手のそれだ。今からレイプする対象にやるものではない。胸板に這うそいつの手が、涼との行為を思い出させる。好意がなければ決してできなさそうな触り方に戸惑った。
何で、こんな触り方をするんだろう、できるんだろう。レイプだったんじゃないのか。俺への復讐だって、言ってたじゃないか。それなのにどうして。結局こいつらがやりたいことって、何なんだろう。
「ぁ…や…っン…」
「…悪ィな。リーダーがガサツだからヨ。まァ…不器用すぎるってのもあるンだが」
「っひ、…ッふ、」
そんな風に触られてしまったら涼を重ねて、そいつの手から与えられる刺激を感じ取ってしまう。涼の手じゃないから、凄ぇ気持ち悪いのに。
まだこれなら、これならメアの触り方の方が耐えられた。痛いのを我慢するだけで良いんだから。でもこれはそんなんじゃない。こんなの嫌だ。"これ"は涼だけがして良い触り方だ。
ーーでも。
嫌でも、この撫でられ方、愛撫の仕方を覚えている体は涼相手とは程遠くても、俺の意思に反して反応する。そんな自分が一番嫌になる。
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