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「なぁメア、これしか無かったわ。とりあえず持って来たけどよ」
「んァ…?あーサンキュ。置いといてくんねェ?もうちょい反応見るからよ」
「はいよ」
ちょうどその時戻ってきた2人の青年。クレトが出ていくときには持っていなかったものをことりと1本机の上に置く。ピンク色をした、怪しいデザインの瓶。その中身は不明だが嫌な予感がしてならない。絶対酒じゃないだろうし、中身絶対口に入れたくねぇと、唇にきゅっと力を込める。だって飲まされる可能性もあるわけじゃん。でもまだメアは使う気がないようなので、一先ず安堵。
「クレト、寄越せ」
けれど俺の頭上からその得体の知れないものを欲す奴が。お前馬鹿じゃねぇのと怒鳴りそうになった。こいつらは中身知ってるけれど、中身分かっていてもこんな色した瓶開けたいと思わねぇだろ。開けたくなる色してねぇもん。殺虫剤入っててもおかしくない色だぞ。
「…あれ、いつもより乗る気だな。アカネの初めての男だからか?お前いつも最後に飲むのに」
俺はこいつの正気の沙汰とは思えない発言に耳を疑ったが、仲間の方も驚いたらしい。俺とは違う意味で。どうやらツキは普段はここまで積極的ではないっぽい?
「…何考えてんのか分からねぇ狐の化けの皮剥がしてやらねぇとな。やれることはやる、それだけだろ」
「ふは…、まぁ確かにそうだよな」
「男嫌いのあいつが気に入ってる理由もそりゃあ気になるけどな」
クレトから瓶を受け取って栓を抜きながら先の問に答える。ぽんっと蓋が取れたら蓋をクレトに渡して自分はそれに口づけた。中身は全てを飲まず、一度だけ喉が上下する。
狐……ってのは会話の流れからして朝生田のことだよな。あいつ「男嫌い」って前言われてたし。うーん、何だろう。こいつらって、思ってたより朝生田に執着してるよな。俺らと同じくらいしてんだろ、これ。
レイプって方法を選んだのは、少なからずそれも関係していると思う。別に俺への復讐ならそりゃあもうリンチで全治半年とかそのレベルでの怪我負わせても良いわけじゃん。そうなる前にしぬと思うけどレイプの他にも手段はあった筈ってこと。俺らが『最恐』って知る前は朝生田に嫌がらせとしてそうする気でいたんだとしても、知った後で幾らでも手段は変えられた筈だ。そうしなかったのはこいつらが朝生田に抱いている不平不満なりが優先されたと言われれば納得がいく。や、納得できてもされたくはねぇんだが。
…なんて思いながら、一口、また一口と間隔を開けて動くツキの喉を眺めていると、瓶から口を離して視線を落としたそいつと目があった。相変わらず光が宿ってない目。復讐だ何だと言いながらもこの状況を楽しんでるような、生き生きしたものではない暗いそれ。
うーん…例えるなら『無』。行動をプログラムされたゲームキャラクターのように、淡々と作業をこなしていくような…。そんな感じの、目だ。
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