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「嗚呼、そう。魔咲君は明日から自分の席に座るように」
今日は入学式だったから、たいした授業もなく、1時くらいにはS.H.R.をして学校は終わり。
皆が帰ろうと荷物をまとめ始めたときに、椿はニコリ、と愁に言った。
―あの"悪魔"に話しかけた。―
それだけで教室の空気は冷たいものに変わった。
「勝手に席替えされては困ります。それと明日までに髪を黒に染め直すように。校則違反です」
表情を崩さず、椿は淡々と付け加えた。
『命知らず』
そう誰かが呟いた。
いつのまにか教室には俺達3人。
巻き込まれたくなくて逃げた、というところだろうか。
「後、狼城君も。ピアスは校則違反です。見えなかったらいいとかそう言う問題ではありませんので」
「…っ、ふ…」
カツカツと革靴で地を叩く音をたてて俺の方に歩み寄ってきたと思えば、ピアスをなぞるように俺の耳に触れてきた。
ゾワゾワ、と悪寒が走り、驚き半分、急なことに声が漏れた。
「と言うことで、お願いしますね」
ニコリ、と一度も崩すことのなかった笑顔で、そいつはそう言った。
「あんたもそのキモい顔面どうにかしたらどうですかぁ?」
挑発するような口調で、愁が言い返す。
嗚呼、これ気にくわない奴にやるやつ。
そんで、煽って煽って…出たボロを1つ残らずかき集めて、それで最後に…”落とす”。
「ルウちゃん大丈夫?ルウちゃんは耳が敏感だからねぇ…」
「…おい…、ッ…」
楽しそうに、椿に触られた所とその周りを愁が指で撫でる。
腕を掴んで、止めろと睨めばすぐに手を止めてくれた。
そして、また椿の方に向いてニコニコと笑う。
その裏に隠された、悪魔の思考なんて初対面のこいつには分からないだろう。
「と言うわけで俺達もあんたの顔面がマシになるまで言うこと聞く気はありませーん」
「…いや、俺も一緒にすんな」
「ままあ、そこは気にしない」
…言うこと聞く気はなかったから、別にいいけど、俺は愁と違って別にこいつの顔面が気に入らねぇとかそう言う理由で…ではないし。
だから、どちらかといえば俺も顔面嫌で逆らってるんだと思われてそうだから一緒にしないでくれると嬉しいんだが。
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