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「ん……、」
「……起きたか?」
騒がしい教室がいつの間にか手放していた意識を取り戻させた。
朝よりは寒くなくなっていて、久し振りに短時間ではあるけれど良く眠れた気がする。
頭から被っていた愁のブレザーから顔を覗かせて、何をしているのか周りを見てみる。
前に椿が立ってるけど化学ぽくない。L.H.R.……?
「球技大会の種目決めだとよ。…バスケ、ソフト、卓球、この3つから今決めてんだけど、何が良いんだ?お前は」
「……補欠」
「馬鹿、体動かしてた方が気が紛れんだろ。当日梅雨明けてるか分からねぇし」
球技大会かぁ…中学の時もあったなそう言えば…。参加したことは無かったが。
卓球は逃げでソフトは男子メイン、バスケは残った奴が…って感じか?
体動かすのが目的なら、ソフトは動かねぇ時はマジで動かねぇし……。
「……バスケ」
だな。やるとしたら。
「そう言うと思った。……糞椿俺らバスケ。書いといて」
「糞って……、自分で書きなさいよ…」
「ルウちゃんに抱き締められてるから無理でーす」
あいつが俺に惚れていると分かっている愁は、俺が引っ付いてんのを椿に見せつけ、「抱き締められてる」のところを強調してそう言った。
良い性格。
椿は思惑通りと言うか、一瞬素に戻って愁に殺気送ったがすぐに"教師"の顔に戻って黒板に俺達の名前を書いていった。
名前が、愁のがやけに雑だったのは仕返しだろうか。
「俺がオフェンス、昴流がディフェンス……それとも逆どっちでいく?」
バスケは本来そう言うのを決めてやるもんじゃない。
でも役割分担をしようと言い出したのは遊びだからだろうか。
それとも他の奴等を舐めているだけなのか。
まあ、そこはどっちでも良いか。
「…普通で良い」
俺は楽しめればどっちでも。
「流石。点差付けて絶望の縁に追いやるんだな。それは楽しみだ」
「そう言うつもりで言ったんじゃないけど…」
嗚呼、舐めてたのか。
お前運動神経良いもんな。本気出せばここのバスケ部の奴にも余裕で勝つだろきっと。
…あんま挑発はすんなよ?
「楽しみだなあ…昴流と久しぶりにバスケするわ」
「…嗚呼…」
そう言えば、そうだな。
バスケ…っつーか、体育基本サボってるから一緒に体動かすこと自体久し振りかもしれない。
バスケって何年振りだろ。2年前に愁とストリートでやったきりじゃねぇか?
…ルールもう覚えてねぇけど出来るかなぁ…。
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