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「っだーー…!キッッツ…」
「久々にこんなに動いたしな」
「本当に。体力落ちたかもー…」
2試合目の前半戦俺が20取って愁が21。
ギリギリで俺の負け。
前半後半の時間は各10分。
その間に1回休憩が挟まれるとは言え、体を動かし続けるには長い時間で、その上お互い飛ばし過ぎて早くも疲労が見え始めている。
これかなりきつい…今日は後4試合あるけど持つのかこれ。
後半は参加しなくて良いからその間も休憩出来る。
だから観戦に残ってる奴もいるが、休憩スペースの方に移動し壁にもたれ掛かって動いて疲労が溜まった体を伸ばし、休ませる。
「…なあ、俺何か買ってくるけど愁は何が良い」
「ポカリ」
「分かった」
足の疲れがある程度取れたら体操着のポケットに財布が有ることを確認して立ち上がった。
動き始めてからまだ1回も飲み物を口にしていなくてカラカラ。
今日は飲み物を持ってくるのを忘れてしまったから、喉の渇きを潤すために、体育館近くに設置された自販機に向かった。
「お疲れさん。頑張ってんじゃん」
「あ?」
体育館を出た直後に椿に話し掛けられた。
球技に熱中している為、体育館の外は誰も居ないが、いつ俺みたいに飲み物目的で出てきてもおかしくないのに、そう簡単に素になって良いのだろうか。
まあ、バレたところで俺には関係ない話だし、どうだって良いんだが。
それよりも、だ。飲み物を買いに行きたい。
「今日髪型可愛い。顔が良く見える」
「…あーはいはい、どけ」
女を口説くように頬を撫でてくるこいつを凄ぇ殴ってやりたいが、今は飲み物が先だ。こいつのセクハラに今は構ってられない。
椿の手を振り払って再び歩こうとすると腕を掴まれた。
……何なんだよ。買いに行かせろよ。
「頑張ってるご褒美。…っふふ、飲ませてあげる」
「っは?」
突としてどこからか取り出したペットボトルの蓋を開けだし、俺に顔を上に向けて口を開くように指示する椿。
一瞬、意味が理解出来なかったがどうやらこいつは本当に俺に飲み物を飲まそうとしているらしい、自分の手で。
…それってさ、ご褒美でも何でも無くねぇか?
嫌がらせじゃね???
訳の分からない発言。予測不可能な、予測何てしたくない行動。
何でお前に飲ませて貰わないといけないんだと椿を睨むが、こいつの持っているペットボトルにキャップが付けられることは無い。
「ほら、早く上向いてくれないと先生お前の服に零しちゃうかも」
「…ふざけんな」
「だから上向いて?いーっぱい飲ませてあげるから」
…何なんだこいつは。会話が成立しない。
俺は誰がするか、って言ってんのに話を理解していないのか、理解しようとしていないのか。こいつの意見が曲げられることは無い。
ニコッて優しそうに笑ってるけどな、言ってることマジ糞なんだけど。
これ、そろそろセクハラで訴えれるんじゃないだろうか。
訴えたら俺勝つんじゃないだろうか。
「っひ…ぁ、?」
「ほら早くしないから先生の手が疲れてきた」
口を開けず、椿を睨み続けていると、冗談で言ったんだと思ってたことを本当にしやがった。
俺の服にペットボトルに入っていた液体を少しだけだけど零され、、買ったばかりなのかまだ冷たいそれが肌に伝って気持ち悪い。
「っン…マジ、止めろ…っ」
徐々に広がって行く染み。この位ならすぐ乾きそうだが、冷たい液体が肌に伝う感覚にゾワゾワする。
「口、開けて?すーばる」
「…っ、ぅ」
一度、傾けていたペットボトルを鉛直に持ち直し、濡れたところをつつぅ…、と撫でられピクンと体が跳ねてしまう。
こいつの目が、早くしろと催促してくる。
良く分かった。こいつはちょっと頭がおかしいって。
こいつならマジで全部俺の服に掛けかねないって。
これ以上濡れたくねぇし、さっさと愁のとこに飲み物買って帰りたいから、諦めて顔を上げて小さく口を開けた。
1口飲んだらこいつも満足してくれるだろう、きっと。
「…良い子」
「っん、んぅ…、…っ?!」
ペットボトルの口が唇に当たり、ほんのり甘いそれが流れ込んでくる。
少しずつ口の中に溜まっていくそれを零してしまう前に、こくりと喉を鳴らす。
そこで、口を離そうとするが、また口の中に液体が入っていて驚いて噎せそうになった。
1回は、俺の基準。こいつが1回とは言っていない。
だが、何回であろうとお前の手で飲んだことには代わりない。
さっさと手離せよと椿を睨む。
目が合った椿はそれはとてもとても楽しそうな顔をして、必死に喉を動かす俺を見ていた。
…嗚呼、殴ってやりたい。
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