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「ラブラブすぎてゲロりそう」
先に屋上に着いていた椿に弁当を渡して、椿が「ありがと」って俺の頭を撫でる。
その光景を見ていた愁がげぇ、と苦虫を噛んだような顔をした。
そんな愁をを横目で見て、椿がクスリと笑う。
…嫌な予感しかしねぇ。
「何、昴流俺に取られるかもって妬いてんの?」
「は?お前に嫉妬とか笑えねぇ冗談なんだけど」
嫌な予感は的中。椿が挑発し、愁がそれに乗る。
マジか、こいつら。出会って数秒だぞ。幾ら何でも早すぎじゃあないか。
止めなければと思っても、2人の会話に隙は全く見つからない。
ああ言えばこう言う。弾丸のラリーだ。
「…嗚呼『俺もルウちゃんのお弁当食べたかったのにぃ』ってか?可愛いねぇ魔咲君?」
「は?誰が?いつ?そんなこと言ったよ。頭大丈夫か?お前」
「これが異常に見えんの?眼科行くか?」
「あーそうだな。ついでに精神科のお前宛の紹介状書くよう頼んどいてやるよ」
「そりゃあどうもー。まぁ俺は?診られても正常って言われて帰されると思うけど?無駄足ご苦労様ー魔咲君?」
そうしていがみ合う2人。互いに早口で俺全部聞き取れない。
俺どうしたら良いんだよ。飯食べたいんだけど。後昼休憩30分位しか無いのに…。俺食べるの20分近く掛かるから早く言い争い止めて欲しい…。
「…俺昼飯食いたい」
我慢出来なくてぼそり、と弾丸をぶつけ合っている2人に向け呟く。
あれだけ白熱していても俺のその小さな呟きは聞こえていたらしく2人の口はピタリと止まった。
最初から早く食べたいって言っとけば良かったと後悔。
「ご、ごめんねルウちゃん。そうだね椿なんて放っておいて食べよう」
「…ん」
俺がコンクリートの地面に座って弁当箱を広げ始めた所で愁も慌てて地面に座った。
椿は…それを見て唇に指を当てて笑っている。
「放っておかれるのはお前だろ」
「ああ?!」
唐揚げをぱくりと頬張った所でまた始まってしまったそれ。
椿も挑発しない。愁は乗らない。
少しは仲良く出来ないのかお前ら。
知らない。俺先に食べとくから。お前等待ってたら俺食べきれない。
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