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理解不能。
現状を表現するならこれに尽きる。
全部作れ、試食した後、時間も時間になって解散。
愁と帰ろうとしたら椿に腕を引っ張られその行動を阻止され理科室に連れて来られた。
日が落ちかけている上に、黒いカーテンとブラインドで光を遮っていて薄暗いその部屋。
訳が分からずされるがままもう連れて来られ、壁に追いやられた。
気付けば逃げ場はなく、壁を背に俺は椿に噛み付かれるように、椿にキスをされた。
何故、急に。帰る所で連れてこられ、キスをされているんだろう。
こうなったからにはきっかけがあるのだろうが生憎心当たりはない。
「つば、き…っ俺、なんかした…?」
唇が離れ、銀色の糸が引く。
肩で呼吸をしながら恐る恐る、聞いてみる。気に障ったのであれば謝ろうと思って。
帰って来たのは溜息。「勘弁してくれよ」って言いた気な。
「…お前さ、どう言う顔してたか分かる?」
「…何が…?」
それは、いつのことだろう。思い当たる節が無い。
お前がそういう顔がどう言ったのかも分からない。
俺の問いに答えは返ってきたが、余計に頭がこんがらがった。
「すげぇやらしい顔してた。トロン、ってした目で俺見てさ。…俺の声で欲情しちゃった?」
耳元で、色気のある声が響く。
違う、そう言いたいのに声が出ない。唇が震えるだけで、声にならない。
だって、椿の言っていることは大袈裟ではあるが間違いでもないのだと自分でも分かっているから。
椿のあの声で、情事を思い出してそれを意識してしまった自分がいたのは事実だ。
だって、仕方ないじゃないか。
言い訳みたいだけど、あんな風に囁かれながら抱かれたことなんて無かったんだ。
「…っふふ…、もう勃ってる。学校で俺の声聞いて欲情して…キスだけでこんな風にしちゃうなんて。えっちだな、すーばーる?」
「んぁ、っ…、」
とんとん、と指の腹でズボンにテントが張っている中心を叩かれ、お腹の辺りに痺れるような熱。
嘘だ。だって俺そんなに触られてない。
けれど、確かによく見たら分かる程度に、布を押し上げている俺の存在。
それ程までに初めてのことだらけだったあの行為は俺にとって印象的だったようで。
体は正直、だと思う。正直に、俺の気持ちを外へと出している。
「かわい…。こんな反応魔咲にはしねぇよな?」
「お前だけだから…!」
そう、お前にだけ。
愁の抱き方は全然違った。そこに愛は無く、欲、心を満たす。それだけの行為。
行為中囁かれたことはあった。けれど、お前みたいな情熱的なそれではない。
その、行為中の愁の熱の籠った声をしていない時に聞いても思い出すことは無かった。
こんなの知りたくなかったとも、心が満たされると同時に思った。
だって、こんな。こんなの知ったら俺愁とのセックス以上に溺れてしまうから。
今回のが良い証拠だ。もう既に、1度しかしていないのに溺れかけている。
「ほんとに、お前だけ…っ愁相手に、なったことな…っぁあ…っ?!」
言葉を遮らせるように先端を親指で強く押され、大きく体が跳ねた。
突然に強くなった刺激に戸惑いを隠せず、椿の方に視線をやった。
俺の目に映った椿は少しだけ不機嫌そうな顔をしていた。
俺怒らせること言った…?
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