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椿の様子を窺う。
何で、不機嫌になったんだろう。何か言ってくれなければ分からない。
そう言った視線を椿に送る。
「何であいつは名前呼びなのに俺は名字な訳?」
「……は?」
ムスッとした顔でそういう椿に呆気に取られた。
だって、不機嫌になって、俺嫌なこと言ってしまっただろうかと思ったら、まさかの名前の呼び方が気に入らなかったって。
そんな事が理由だったとか、思わないだろ。
「重要だろ。ヤってる時は偶に言ってくれるけどよ、あいつが名前呼びなのに普段俺は名字とか気に食わねぇ」
…つまり、愁だけ名前で呼ばてんのが嫌、自分も名前呼びが良いってこと?
何それ。
子供みたいで少し可愛いかも、何て。思わず笑ってしまった。
「…りょー」
「ん、普段もそれで呼んで」
「はいはい」
相手の呼び方なんて何でも良いから涼の名前を言われた通りに呟く。
そうすればさっきまでの表情が嘘のように満足そうな顔をして、ふわりと笑った。
初めて見る類の笑顔。俺が見てきた笑みよりも、幼くなるその笑い方。
そんな笑顔が可愛らしく見えるとか、もしかしたらもう、自分でも気付いていない程こいつに溺れてしまっているのかもしれない。
「ちょ、馬鹿なのお前?!」
「名前」
「涼。…じゃなくて…!」
俺が油断しているのを良いことに、そいつはガチャガチャと音を立てて俺が身に着けていたベルトを外し、ズボンのチャックを下ろしやがった。
おい、何で脱がしてる。こいつここでヤるつもりなの?
「こんな状態じゃあ帰れないでしょ」
「収まってから帰るから…!」
「こっちのほうが早いじゃん。…嗚呼でも"補習"しないといけないもんな…」
家庭科室で口にしたその単語を思い出したようにまた発して、考え出したそいつ。
何なんだよ、もう…。
結構前から思ってたことだが涼って言葉だけじゃなくて何考えてんのか分からない時は本当に分からない。
頭の構造どうなってんのか1度見てみたい。
「うん、そうだね。やらない」
パッと涼が俺から手を離す。
続きはしないって意味と捉え、俺が服を直そうとしたら腕を掴まれ、止められた。
…何なんだよ。お前がしないって言ったんだろ。
「"俺"はやらない。…だから"昴流"がして?」
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