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「おーおー、頑張ってんじゃん」
意味分からねぇ絡まれ方に疲れ果てていると、聞き慣れた男の声。
そちらの方を見ると、いつものスーツ姿ではなくロックな感じの服を着て黒いマスクを付けた兄がいて。
髪は少し弄っていて、ちょっと目立つ。
その周りには優さんや他数名。
全員兄貴の同級生兼友人。
いつもは仕事に良く行ってる曜日だけど休み取れたんだな。
学校行事があれば行けるなら来てくれるのが、凄く嬉しい。
兄や父親は来てくれたことが無かったから。
「昴流ちゃぁぁん、今日も可愛いよぉ」
「っ、吏さん…ケツ揉まないで…」
セクハラ親父みたいなのが雲上吏(うんじょう つかさ)さん。
雲と吏から取って兄貴たちの間での愛称はリウン。
見た目も口調も柔らかい感じだけど切れたらやばい人。
馬鹿っぽいが実はそうでもない。
「止めんか。すー嫌がっとるやん」
俺のことをすーって呼ぶ関西弁の人は綾里要さん。
愛称はカナメ。
会社勤務しながら自営でボディピアス専門の施術師をしていて、俺もよく開けてもらってた。
可愛いもの好きで服装も女が着てそうなデザインの時があるがオカマとか女装趣味と言う訳ではない。
「元気にしてたか」
「ん…っ、まあ、はい」
俺の頭を撫でてくれたのは鳴海幸仁(ゆきひと)さん。
愛称はコウだけど、まとめ役って感じみたいで良く兄貴たちに「パパ」って呼ばれてる。
パパと呼ばれているように、性格も穏やかで滅多なことがないと怒らない優しい人。だけど要さんと吏さんには言葉がきつい。
優さんが経営しているバーで偶に会っていたけど、5人揃ってんの見るの久しぶりかもしれない。
「リウン、そろそろ昴流に引っ付くのやめろ。目立ってんだよ」
「いたっ、すぐるんいーたーいー!」
「あー、うるせぇうるせぇ」
元々5人は顔が良いからそれだけでも注目の的だったのに、吏さんが俺に引っ付いてるから余計目立って視線が痛い。
それに耐えられなくなった優さんが吏さんの頭を叩いた。
「昴流どうしたのこれすっごい可愛い」
「…演劇、部の借りた」
兄貴が俺の付けていた耳をむにむにと触ってきて髪が引っ張られる感覚。
おい引っ張んな。取れる。
それピンで留めてるだけだから。俺それ付け方分からねぇから。
「…あ、取れちゃった」
…あああああもう。言わんこっちゃあない。
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