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18歳以上ですか?
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「…あの人凄く若そうに見えたけど?」
「そりゃあ34で厚化粧してりゃあね。」
「34…ッ?!」
「そこそんなに驚く所?」
34で俺が16ってことは18で俺を生んでるんだから結婚はできる年齢だしそこまで驚くことじゃないでしょ。
「…いや、まあそうなんだがな…。まさか血が繋がってるとは…」
……その言い方からして俺とあいつ全然似てないって言いたいのかな?
そう思うのも無理ないけどね。
「俺、父親似らしいから。あの女曰すげぇそっくりらしいの。…声も、口調も、性格も…好きな煙草の銘柄や酒の種類も何もかも。生き写しかってレベルで」
あの女が言うにはって話で顔は分かるけど性格とかはどこまでが本当なのかは分からないし、あの女が言ってんのは俺が生まれて間もない頃の名前も知らぬ俺の父と言う存在の事で、今は年齢的にも俺と全く同じ所なんてそこまでねぇと思うけど。
「…その言い方じゃあお前の父親は…」
「…それは想像に任せるよ」
これ以上は零には関係のないことだから俺は言わない。こいつに言ったところで何かが変わる訳じゃない。
俺がこれ以上は受け付けないという態度を示せば流石大学生と言えば良いのか年上と言えば良いのか察しが良くこれ以上聞いてくることは無かった。
「…そう言えばアンタ俺に用あったんでしょ?」
「ん?ああ…手帳忘れてたんだよお前。見たら色々と書き込んでたから無いと不便だろうなと思って。明日は俺が行かねぇから渡せねぇし、かといって他の奴に頼むのもあれだろ。…ほら」
「…あー、ありがと」
鞄の中を探って黒色のカバーがされたシンプルな手帳を取り出し、俺に渡す。
…うん、バイトスケジュールそれに書いてるから凄い助かった。何個も掛け持ちしてるから正直何がいつとか覚えてないんだよねー。
「じゃ、渡したから」
「んー、ありかどゼロちゃーん」
「ん、また明後日」
零ばジジ臭くも「よっこらせ」と呟きながら立ち上がると鞄を肩にかけ直した
そして俺の頭をポンポンと撫でると玄関の方へスタスタと行ってしまった。
零の手は今までにないくらい優しくて、少しだけ心地良いと思ってしまった。
ーゴリラの癖に生意気ー
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