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ーカシャ
「あ?おいてめぇ何勝手に写真撮ってんだ」
「…萌えー…?」
「何が萌えー?、だ」
写真を撮る音が聞こえたかと思えば、俺達を微笑ましそうに眺めながらカメラをこちらに向けている真さんがいた。
「いやね、女の子だと思ってたら男でしかもこんな可愛い子だったら萌えないわけ無いでしょ。…嗚呼、涼に甘えてる昴流君可愛い。最初会ったときの昴流君の印象では考えられない甘えっぷり…、ギャップ萌え最高…。萌え提供ありがとうございます…涼様…!」
「……だからお前には絶対会わせたく無かったんだ」
「酷い。私は何年も兄がホの字になることを待ち望んでいたのに。私昴流君にあって初めて知ったからね。聞いたときには女の子と付き合ってるような感じで言ってたくせに…」
「勘違いしたお前が悪いだろ」
半分以上…いやほぼ全部理解できない2人の会話。というか真さんの言ってることが全く意味わからない…。異国語を聞いているような気分だ。
けど、ひとつだけは何とか分かった。聞き流しそうになったけど
「…兄妹、なんですか」
「そうよ」
「…嫌なことにな」
「失礼ね」
少し驚いたけど、そう言われてから2人を見ると目元が良く似ている気がしなくもない。…嗚呼、後人を騙すのが上手いのも良く似ている。…遺伝というのは恐ろしい。
「ごめんなさいね?嫌な思いさせてしまって」
「……いえ、大丈夫です」
「…もっと怒って良いぞ?なんなら殴っても良いからな」
「…別にそこまで怒るような事じゃない」
真さんの嘘を信じた俺も俺だったし。
それに、終わったことを怒ってもな…。
「…本当涼が言ってた通りの子ね。自分の事で怒ることはないけどそれが逆に危うくて、目を離せば壊れてしまいそうで…守ってあげたくなる子。…ここまでくると尊い…」
はあ、とため息をつき、頭を抱える真さん。
何か俺変なことをいってしまったのだろうかと彼女の様子をうかがっていると隣から「いつもの事だから気にすんな」と涼が言ってきた。
…いや、いつも頭を抱えてたらそれはそれで心配になるのだけれど。
「昴流君、涼に嫌な事されたら私に言ってね。私が昴流君のかわりにこらしめてあげるわ」
「は、はあ…、ありがとうございます…?」
さっきまでのはなんだったのか、バッ、と勢い良く顔をあげると俺の手を強く握ってそう言ってきた真さん。
真さんにかわりに涼をこらしめてほしいと頼むことなんて絶対に無いような気もするけど、どう答えれば良いか迷ったのでとりあえず礼は言っておくことにした。疑問系だったけど。
「あ、連絡先交換しましょ?相談なり愚痴なり何でもして良いから」
「……あ、はい」
さっさと話が進んでいき、真さんの右手には気がつけば携帯が。断るタイミングを逃してしまった。…いや、断る理由なんて無いから良いのだけれど。
「っふふ昴流君のメアドゲット~」
「…昴流に下らねぇメール送ったら許さねえからな」
「あら怖い」
俺を守るように引き寄せて真さんを睨む涼。…下らないメールってことは冗談混じりのメールってことだろ?別に睨むような事じゃないように思えるのだが…。
「お前は昴流に悪影響だ」
「うちの子の教育上よろしくないって感じで言わないでよ」
「そうとも言うな」
「ちょっと」
悪影響のある冗談ってどんな冗談何だろう。今回の彼女だって俺を騙した、…って感じの冗談?いや、それは別に悪影響…じゃねぇよな。
全く想像がつかないんだけど、椿家の冗談ってそんなハイレベルなの?
…嗚呼、2人の会話は理解できないことが多い。
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