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「見下してる?お前が?」
「ああ…、そんなつもりはないんだがそう言われた」
あの少年に言われたことを涼に話した。別に話さなくても良い内容だが、それでも涼に話しているのは"そう"涼に言われたくないから…涼に勘違いしてほしくないからなんだろう。
「…話し方…?とか、目、とか…結構前にも同じこと言われたことがあったんだが…俺は普通にしてるつもりだから、良くわかんねえ…」
「目…話し方…」
何度かその2つの単語を復唱すると、勘違いされた理由がなんなのか理解できたようで「なるほどな」と呟いた。
「目はお前の目の色が真っ黒だからじゃねえか?光の入り具合じゃあ本当に"真っ黒"だ。それにお前の目を見る角度が加わったら…そう見えねえこともねえはずだ」
「…光…、そんなに違う?」
「ああ、…まあお前の目、元々光当たっても分かりにきいけど…」
「そう、か…」
元々のものだからそれじゃあなおしようがないな…。目付きとかだったら頑張ればなおせれたかもしんねえけど、目の色は流石にどうすることもできねえ…。
「…俺はこの目好きだけどな。すげえ綺麗」
「…そう…?」
「嗚呼、綺麗だ。…例えるならオニキス…そう、オニキスみてえに曇りのない綺麗な黒だ」
ーオニキス……ー
綺麗とは最近、入院してるときに少女に言われたがそう例えられたのは涼が初めてだ。
「…っふふ、そう…」
涼しか言えなさそうな…、そんな聞いてるこっちが恥ずかしくなるような台詞だったけど、怖がられていたこの目をそう例えてくれたのが嬉しくて笑みが溢れた。
「…あー…本当可愛い……」
「っ、…?」
「頼むから俺以外のやつにそんな顔を見せないでくれ。…嫉妬しちまう」
俺を抱き締め、俺の肩に額をのせて、余裕の無さそうな声でそう言った。
俺はどんな顔の事をいっているのか分からなくて、涼に聞き返すと「他の奴に笑うな」って言われた。
…それは流石に無理があるぞ…。
笑うなんて意識してやってる訳じゃないし、意識して止めれるもんじゃないし…。
…嗚呼、でもたかが表情ひとつで妬いてしまうなんて少し可愛いな。
…なんて思ったのは涼には内緒だ。
「…話戻して話し方の方なんだけどよ、多分あれだ。お前接点ねえやつと話すとき口数少なくなんだろ。そのせいじゃねえか?」
「…そう、なのか?」
「嗚呼、そうじゃねえときもあるがそうなるときの方が多い。だから大事なとこ伝えれなくて勘違いされるんじゃねえか?」
「…む、」
そう言えば勘違いされたのは初対面…全く接点のないやつらばっかりだったかもしれない。
自分では全くそうなってると思っていなかったんだが、そう考えると涼が言っていることは的を射ているのだろう。
「まあ、これに関しては人とあんま関わってこなかったせいじゃねえか?気にしねえのが1番だと思うぞ。…嗚呼、でもその勘違いしたやつがまた昴流に手を出すのはそれはそれで苛つくな…」
「…どっちだよ…」
「すげえ苛つく」
「はいはい」
俺を抱き締める腕の力が強くなったような気がした。それが嬉しくて俺も涼の背に腕を回す。だって、そうだろ?俺に手を出されて苛つくってことはそんだけ俺のこと大切に思ってくれてるって裏返しだ。
「…っふふ、」
「あ?何だよ…」
「いや、幸せだなあ、って」
格好良いけど可愛いところがある俺の恋人が怒らないように、目の方はどうしようもねえけど話し方に気を付けてみることにしよう。
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