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「え、昴流ちゃん平気?!救急車?救急車呼んだ方が良い?!」
「リウン、取り合えず落ち着け」
携帯片手に慌てる吏を幸仁は軽く殴って、飲んでいた酒をテーブルに置くと、昴流の頬を叩いたり、引っ張ったりして反応を伺う。
「ん…、」
痛かったのか眉間に皺を寄せ、うっすらと目を開ける昴流。
意識が戻ったのを確認して「大丈夫だから携帯しまえ」と幸仁は吏に告げた。
冷静に対応していくあたり、流石パパと呼ばれるだけのことはある。
「昴流大丈夫か」
「…、」
念のため昴流に体調面を聞いていくが、反応がない。
意識が朦朧として聞こえていないのか、それとも聞こえているが意味を理解するのに時間がかかっているのかだろうが、前者であるならやはり病院に行った方が良いのかもしれない。
…と、幸仁が心配の表情を見せていると
「ゆきひとさんだあ」
と昴流がいつもは見せない幼い笑みを浮かべ幸仁に抱きついた。
「おい、昴流…?」
「…ん、なあに?」
「なあに、じゃなくて…、体の方は大丈夫か」
「んー…ふわふわして、きもちい」
「…それだけか?」
「ん!」
へらりと笑って幸仁の胸に擦り寄る昴流。
酔っているだけで、体調が悪いわけではないのは良かったのだが…、幸仁は隣から…昴流の恋人である男から殺気が送られ、自身の身の危険を感じ昴流に離すように促した。
「…幸仁さん、ルウちゃん酔ったら凄い甘えたになるんで諦めて殺気送られてください」
「え、は…ちょ愁助けろよ」
「無理です」
愁は同じような光景を前に見た…否、体験したことがあったのでそれしか言うことができなかった。
昴流は先程愁が言ったように所謂、甘え上戸で、それは人に中々甘えることができなかった所から来ているのだろう。
その甘え方がなんともまあ厄介なことで、昴流のターゲットにされたら愁の記憶上昴流が満足しない限り何を言っても離そうとはしない。
だから涼に殺気を送られている幸仁にお疲れさまとしか言いようがなかった。
「昴流…、椿さんが居るだろ?な?」
「むー…」
「むー、じゃなくてなあ…」
「ギャハハハっ!!パパも椿さんには勝てないってか!」
「…ックク、コウおつかれさん」
「甘えたのすー超かわええ。すーこっち向き?」
「カナメ後で俺に送れ」
「ブラコン怖いわあ」
「お前らは…!!」
慌てる幸仁の隣で優と吏は爆笑し、要は昴流を写真に納め、流星は真顔で送るように命令する。
自由なのが彼らの取り柄だが、ここまで自由だと「誰か助けろよ」と怒りたくなる幸仁であった。
「…カオス…酒って怖い」
この中で唯一酒を飲んでいない琉生の発言もこれである。
「…俺に味方はいねえのかよ…?!」
流星達は後でシめるとして…、兎に角、昴流に次からは絶対に酒を飲ませないようにしようと幸仁は1人心に固く誓った。
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