アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
ーガチャ…ー
8時頃、玄関の方で鍵の開く音がした。
「母さんか」
「いや、今日は友人と遊びに行ってくるから10時くらいに帰るって言ってたわよ」
「……ッチ、臣か、帰ってくんなよ…」
臣…弟が帰ってきたと分かると涼の纏うオーラがまた怖くなった。…どんだけ帰ってきて欲しくなかったんだ。
「…姉貴ー、兄貴帰って来てんだ……って…?」
リビングに一直線でやって来た弟さんが、初対面なんだから当たり前だけど、俺を見て固まった。
涼の弟さんは俺と同い年くらいで、髪は金髪でちょっとチャラそうな人だった。
「…えーっと、姉貴のサークル仲間?」
「違うわよ。…というか昴流くんと涼の距離感で察しなさいよ」
「……え、待ってそれってついに兄貴がホの字…?なにその美味しい展開神様仏様ホモ神様ありがとうございますありがとうございます」
俺と涼を交互に見たあと金髪くんは早口で訳のわからないことをぶつぶつと呟き始めた。…何いってんのか分からなかったけど初めて会ったときの真さんと同じ何かを感じた。
「嗚呼、ちなみにアンタが好きな生徒、不良、ピュアの三拍子を兼ね備えた子」
「何それ美味しすぎ。萌える…やべ、鼻血でそ」
「……なあ、涼あの2人何の話してんだ」
「異国語だから気にしなくて良い」
俺について話してんだってのはなんとか理解することができたけど、その俺の事で何いってんのかはやっぱりどうしても分からなくて、涼に聞いたらそんな風に返された。
聞き流せって事なんだろうけど…いや、ちゃんと日本語だから、外国語みたいに聞こえるけどそこは認めてあげてほしい。
「……ん?あれ…ちょっと待って」
いきなり何かを思い出したようにピタ、と止まってしまった金髪くん。
暫く何か考える素振りを見せた後、俺に近づいてきた。
「…やっぱ、どっかで見覚えあるんだよな……」
「へ…?」
まさかそんなことを言われるとは思っていなかった俺は驚きから情けなく声が漏れた。
俺とアンタは初対面だと思うんだけど…。
「いや、どっかで……不良…、兄貴の生徒……叔父さんの家の辺りか…?…あそこら辺の人………っああ!!!アンタ、あれ!!狂狼って人!!」
「…は…?…あう…」
俺の肩を掴んで、目を輝かせる金髪くん。
…その狂狼って一部では呼ばれてる人だけどなんでお前がその名前を知ってんだよ…?東京だぞここ…。
「え、覚えてない?2年くらい前に俺助けてもらったの」
「…たす、け……?」
…全く記憶にございませんが。
というか、2年前の俺が人助けをしたとは思えない…、自分がいうのもあれだけど。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
207 / 1113