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そして、騎馬戦の時がやってきた。
どう見ても赤以外は大将が3年。2年なのは俺1人。大丈夫なの水瀬さん。
「大丈夫大丈夫、負けたら負けたで良いしさ」
「いや、それは…」
流石に悪いです。
第1回戦。赤と紫。紫の大将さんはごつめでいかにもな人。無理そう……。
昔の感覚で…ってやつならいけるかもしれないけど昔の感覚何て言われてもよく覚えてねえし…どうやって勝とうかな。
ーパンー
ライフルの音を合図に馬が一斉に動き出す。俺の馬も動きはじめたのを感じながら俺は落ち着かせるために1度深く目を閉じた。
「隙有りすぎ大将さん…っ!」
後ろからした声。今から振り向くのは遅い。取られる。
だから"無意識"に腰を折って頭の位置を下げだ。
嗚呼、何だ。何も考えなくても、本当に体に染み付いてしまってるんだな。"狂った狼"ってのは。
「1本」
相手がバランスを崩したその隙に、額からハチマキを抜き取り、ずっと持っているわけにもいかないので地面に落とした。
「お前本当に初めて?」
「嗚呼、…けど思ったよりも簡単」
相手の動きを読んで、避けて、受け流して、バランスを崩させて、その隙に取る。その繰り返しで5本くらい取った。
喧嘩するよりも簡単かもしれない。
「このまま大将のとこに突っ込む?それともそれ以外を狩ってく?」
「どっちでも、水瀬さんが決めて」
「じゃあ、突っ込む。数も減ってきた」
「嗚呼、分かった」
頷くと同時に敵の大将へ突っ込んだ。
止めようと敵が集まってきて、伸びてくる手をかわし、隙があれば取っていく。
そして、大将の前に来て、攻撃を避けながら手を伸ばした。
「っ…」
ー力強いな…ー
両手を握りあって、押し合う。
向こうの方が力が強くて押し負けそうだ。
手を離したらその隙に取られそうだし…、かといってこのままじゃ押し負けて取られる可能性が高い。
…なら、"わざと"押し負けよう。
危ない賭け。でもこれじゃないと勝てない。
「水瀬サン、倒れたら悪ぃ」
「えっ?」
全力で押し返した直後に相手の手を握る方の力を少し緩め、押し返す方の力を完全に抜く。
俺に全体重をかけていたのだから俺が急に力を抜いたせいで支えがなくなりバランスが崩れる。
その隙に緩めていた手を離して、ハチマキに手を伸ばした。
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