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ーマジで俺、死ぬんじゃねえのー
痛すぎて逆に感覚が麻痺してきた今の自身の状態に他人事のように心の中でそう呟いた。
バイト終わってからどんくらい時間が経った…?バイトの時は家に帰れたら優さんに連絡入れるようにしてたから、もしかしたら異変に気づいて俺の事を探してくれてるかもしれない。
…なら、もう少しの辛抱。きっと幸仁さんと吏さんなら来てくれる
「無様だなァ?!あの狂狼も今や"これ"だ」
ボス猿がゲラゲラと笑う。
嗚呼、そうだな。涼と出会って大切な物を見つけちまったせいでお前らに好きなようにされてる。
嗚呼、そうだ。俺は無様だ。自身で己の牙を折った愚かな奴だ。
「は、無様で、構わねぇよ…、っ、げほ…」
…けど、涼を好きになったことに後悔はない。昔と今なら俺は今を選ぶ。それが例え周りから見れば滑稽なものだとしても。
「もう、終わりか…?ならありがてぇんだがな」
「…ッチ、牙が折れてもムカつく犬だな」
「ボス…っ?!」
「どけ、後は俺がやる」
ボス猿が立ち上がり、下っ端を押し退け俺の前に来る。下っ端はボス猿に譲るように俺から1歩、1歩と遠ざかっていく。
「う、ぁ…っ?!」
「喜べ、まだ終わりじゃねぇ」
ボス猿に髪を引っ張られ、顔を上げさせられる。
「っ゛、」
頬を殴られて、口の中に血の味が広がった。
「…次は顔ってか?喜べねぇプレゼントだな…。顔はあまりしないでくれると助かるんだが」
顔は誤魔化せない。だからやるんなら誤魔化せるところにして欲しい。
「お前が顔だけは止めてくれとはな。オンナでも出来たかぁ?」
「…さぁな」
「悪魔か?」
「そいつは関係ねぇよ」
「だろうな。てめぇみたいなオンナがいてたまるかよ」
そのいてたまるかで相手は愁じゃないけど俺オンナ役なんだよなあ…。こいつに言うようなことじゃねえから言わねえけど。
「…まあ、てめぇに女がいようがいまいがどうでもいい。てめぇに俺が言いたいのはなただ1つだ」
ーくたばれ、糞犬ー
その直後に、骨が折れたような鈍い音。
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