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71(過去ver.)
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「俺、まだなにか気に障ること言ったかな?」
夜白くんが黙っている事に気付いて、ストレートに質問する事にした。
遠回しに聞いても時間の無駄だし、場の空気も悪くなるし。
しかし、夜白くんはぎゅっと唇を噛み締めたまま。なにか言いたげな表情をしているのに、言葉にしない。
……普段の俺なら、ウザったくて帰っているだろう。それでも彼の言葉を、気持ちを、感じ取ろうとする俺はどうかしてしまったのだろうか。
「えっと…。あの、なんていうか…。」
夜白くんが口を開きなにかモゴモゴ話している。しかし、何かを伝えたいのに言葉にできない、そういう表情で俺を見つめてきた。
……本当に分かりたいと…理解したいと思う事はいつも分からないんだ。
「……なんか、真咲さんと木嶋さんって、仲良いですね…。」
ボソッと呟いた彼の言葉の意図がわからなかった。
なんと答えたらいい?普通に「あぁ、そうだよ」でいいのか?
……あー、めんどくせぇなぁ。
わざわざ答えに悩まなくてもいつもの俺で…いいんだよな?
『あぁ、悟は唯一仲良いΩだからな。』
「そ…、ですよね…。」
下を向いた彼の前髪の間から見えた瞳は、ほんの少し、濡れているような気がした。
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