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76(過去ver.)
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何度も何度も角度を変えて熱いキスを交わす。
とっさに悟には番がいることを思い出し、できるだけ強く悟を押しのけた。
「どうしたんだ、何かあったのか悟。お前には番が…「いないよ。」」
は……?
「いないんだ。終わっちゃんだ、何もかも。僕の番は、僕を捨てたよ。」
「は、なんで…?」
「…ッッ!知らないよ!そんなこと僕が知りたいくらいだね!僕が何したんだよいったい!!!ねぇ、教えてよ、どうして僕の番は僕を捨てたの…?寂しい、寂しいんだよ真咲…助けてよ…」
こんなに泣きじゃくる悟を今まで見たことがなかった。いつだってアルファを馬鹿にしたようで、まったくオメガらしいところを見せなかった悟が、言い方は悪いかもしれないが『オメガらしい』ところをこのとき初めて俺に見せた。
「悟…」
無意識に自分の右手をソッ、と悟の頬に添えた。
「真咲…キスして…」
段々と、顔が近づく。
もう少しで唇と唇が重なり合う、その時、BARの扉がカランカランと鳴り、光が射し込んだ。
振り返るとそこには、夜白君がいた。
「なん、で…」
困惑する俺をよそ目に、夜白くんは少し俯きながらフッ、と笑って走り出す。
「あっ!真咲、待って!!!!」
悟の静止を無視して俺は夜白くんを追い、走り出した。
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