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ぐぎぎ、となおもトラを立ち上がらせようと力の限りを尽くしているが、必死の俺を不思議そうに見たトラに逆に引っ張られ呆気なくよろめく俺の体。
な、なんだこの力の差は……!
決して俺は貧弱なんかじゃない!トラが馬鹿力なだけだ!
「なにしてんのさツル。早く座れって」
「おバカ!先着様がいるんだから早くどかないと!怒られるって!」
「だーいじょうぶだって。だいたい無闇に席外してる方が悪いじゃん?」
「いやいやちゃんと取ってあったから!飲み物とか置いてあるから!」
「こんなモンで席取れるとかナメたこと考えてるヤツが悪ーーーーぐがぁっ!!」
「ぎゃぁああほら言わんこっちゃない!!」
突如机にめり込んだトラの頭。
それを押さえつける手を見て俺はハッと青ざめた。
血管を浮かばせて握り潰すようにトラの頭をグリグリさせる手を恐る恐る辿ると、
「おいテメェ勝手に席奪うとはいい度胸してなァ…?もちろんそれ相応の"お返し"は用意できてんだろうなァ!!」
「ひぃぃぃいっ」
凶悪面の悪魔がご降臨されていた。
これは完全にアカンやつだと俺の本能が警報を鳴らしている。
だって悪魔様からどす黒い何かが見える。その辺にいる不良達とは一線を画すものを感じるのだ。絶対敵に回してはいけない人だよこれ……!
つい情けない悲鳴をあげてしまった俺に、悪魔様がチラリと目を向けた。
あ……終わった、俺。
「あ?見ねぇ顔だな。テメェもこいつとグルか」
「めっ、滅相もございません!!こんなおバカさん知らないです!!」
「ちょっとツル酷い!虎鶴コンビ結成したばっかじゃん!」
「黙らっしゃい!」
俺は止めたもの!むしろ被害者だもの!
こんなことならコンビなんて解散だ!
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