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俺は精一杯腰を低くし、どうぞどうぞと悪魔様に席&トラを献上した。
「この子差し上げますのでどうぞ煮るなり焼くなり好きにして下さい」
「ツルのバカー!お前の相方愛はそんなもんかー!」
「安心して。ちゃんと骨は埋めてあげるから」
「だがしかしこの俺が槙(まき)なんかに負けるわけがないんだな!」
凄まじい力で押さえつけられていたはずだが、トラは悪魔様の手を払いのけてガバッと起き上がった。
そして悪魔様にドヤ顔を向ける。その顔にくっきり赤く跡ついてるけども。
「というわけでここは俺たちの席だ!大人しく引くんだな、槙!」
「ハッ、4勝9敗2引き分けのお前が俺に勝とうなんざ百年早ぇんだよ」
「ちげーし4勝9敗3引き分けだっつの!」
「そこ訂正したところでお前の負けに変わりねぇがな。相変わらず馬鹿だな」
呆れた顔をする悪魔様に心の中で同意する。
トラは俺の予想をはるかに超えるお馬鹿さんだったようだ。先行き不安でしょうがないです。
明後日の方向に目をやっていると、悪魔様がついと俺を指差した。
「んで、こっちの眼帯チビは誰だ?1年か?」
「チビ……だと……!?」
「A組から転入してきた厨二病ちゃん!俺の相棒!」
「ちゅうに、びょう?変な名前だな。中国人か?」
「ぷぷ!!うわー馬鹿!名前なわけねーし馬鹿すぎて恥ずかしっ!」
「あァ!!?」
「もっ、望月です!望月千鶴です!今日からZ組でお世話になります!」
ものすごく腹立たしくなるような態度で挑発するトラの口を押さえ、黒いオーラを発しだす悪魔様を必死に遮り自己紹介をする。
頼むからこれ以上場を悪化させないでくれ!
喧嘩するなら俺のいないところで存分にやってくれていいから!
引きつった笑顔を貼り付けてトラをさえぎったおかけで悪魔様の怒りが爆発することは避けられたが、その代わりにジロジロ見られて俺ガグブル。
ちびりそう誰かタスケテ。
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