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よろしくされない宣言を受けた手前、なんとなく居た堪れない気持ちできつねうどんをちまちま食べる。
本当は汁飛ばしまくりながら豪快にすすって食べたいのだが我慢だ。今度自分で作って思いきり食べてやる。
そんな俺の横で豪快に丼を食らっているトラが俺の方を向いて食べながら話しかけてきた。行儀の悪い子だなぁ。
「そういえば、ツルはZ組のことどんくらい知ってるの?」
「んー、全然。ちょっと前まで存在すら七不思議レベルの認識だった」
「マジか!俺らの存在ってそんなもんなの……」
「そりゃそうでしょ。あっちとこっちはほとんど遮断されてるし。唯一風紀委員会だけが送り込む役割ってだけだね」
「翠ももともと本校舎だったもんなー」
「え、そうなんですか?」
「B組だったけど、君と同じで下衆どもに仕掛けられてね。ほんと低俗だよ」
「……」
怖えええ。
淡々と話しながらも空気が!冷えきってる!
誰だよ桐生先輩に仕掛けるなんて勇猛果敢にも程があるだろ!
その生徒は今無事なのだろうか……想像するのも恐ろしい。
桐生先輩の冷たい空気にあてられて青ざめるが、トラと佐野先輩は面白そうに笑った。なぜそこで笑えるのか理解できない。
「あれもひどかったよな。つーかろくに仕事しねぇでポンポンZ送りにする風紀がクソだな」
「まぁ、そうすれば面倒事をまるごと放棄できるからね。ていのいい掃き溜めだよ、ここは」
「えー、俺はあっちよりここのが居心地いいけどなぁ」
「君も、二度と向こうには戻れないからね。嫌なら退学するしかないよ」
「あ、俺も大丈夫です。ここで」
トラの言葉に内心で頷いていたので、桐生先輩の忠告にもケロっとして答える。
掃き溜めだとしても、着飾って陰で張り合う上辺だけの関係ばかりのあの空間より、皆がみんな思うままに行動して騒いでヤンチャしてる滅茶苦茶なこの空間の方が好きだ。
突然上履きとかが投げつけられるのは怖いけど。
不良さんにガン付けられるのもビビるけど。
多分、楽しくなると思う。
希望も含めた予想だけど。
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