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「———俺は、呪われた身だ」
重く呟いた俺の一言に、しんと静まり返る。
束の間の沈黙の後、トラが恐る恐るといったふうに俺の顔を伺った。
「……え、ツル、この場面でそれ?カッコよく回り見渡して凛々しい顔して何言うかと思ったらそれ?絶対いい場面だと思ったから今一瞬理解できなかったんだけどまた厨二病なの?それでいいの?」
「俺の呪いは決して消えない……」
「揺るぎないなお前!!」
なにやらごちゃごちゃと戯言を言うトラの口に手を当てて黙らせる。
今俺のターンだから口を挟まないでもらいたい。
「だから、お前達が俺を嫌うのも分かる」
「いや、そういうことではないんだが……」
「今までだってそうだった。そうやって生きてきた。そうやって、生きていくべきだと思ってる」
「……」
「だからコイツが何と言おうと俺は甘えるつもりはない。守ってもらおうなんて思ってないし、そんなのこっちから願い下げだ」
「……ツル、」
「気に入らないなら非難すればいい。攻撃したければすればいい。先生に言いつけるから」
「……(最後の一言いらない)」
「暴力だって俺は逃げないよ。平手打ち以下なら」
「……(最後の一言いらない)」
「さぁ、どんと来い!!」
そう言い放って、覚悟を決めて仁王立ちする。
これから来るであろう怒号・暴行の嵐を予想して目を閉じるが、なぜだかしんとしたまま誰も動く気配がない。
いっこうに訪れない攻撃に不思議に思って目を開けると、
「ツル、どうしてちょっと残念なの……」
呆れ顔をするトラと。
「……こいつ、マジやべぇ……」
「も、無理、、」
「ぶはっっ」
耐えきれないといったように笑い転げ始める不良達がいた。
……え、なにこれ?
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