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(?side)
ガタン、と何かが落下した音で意識が浮上した。
目を開けても辺りは暗く、ぼんやりする頭で寝てたんだと気が付いた。
ゆっくり起き上がって伸びをする。
凝った体がギジリと軋み、取れない疲れに深く息を吐いた。
自室に戻って早々、電気も付けずベッドに体を投げ出して寝入ってしまったようだ。
シワがついた制服を見下ろして、チッと舌打ちした。
クソ、着替えりゃ良かった。
ベッドから降り、部屋の電気を付ける。
急に明るくなってチカチカする目を眇めながら、ブレザーを脱いでネクタイを外し、シャツのボタンを3つほど乱暴に開ける。
襟が詰まるのは息苦しくて仕方ない。
下もスウェットに履き替えた頃には明るさに目も慣れ、机の上に放り投げた鞄に目がいく。
開いたままだったせいか、ペンケースや教科書が飛び出てしまっている。
再び舌打ちをこぼし、鞄を下ろして机の上を片付け始める。
その時、ふと下を見て携帯が落ちているのを見つけた。
しゃがんでそれを拾い、これが落ちた音だったかと得心した。
ならば寝てたのは短い間だったのかもしれない。最近は疲れのせいですぐ意識が飛ぶ。
携帯の画面を開いて時間を確認すると、やはりそれほど時間は経っていなかった。
しかし、そのことに安堵する前に、通知の部分に表示された内容を見て眉をひそめた。
あいつからのメッセージ。
通知の時点ですでに内容は見れたのだが、開いてみても変わらぬ文面にまた舌打ちをした。
『しばらくは大丈夫!』
いつもなら嫌ってほど向こうから連絡が来ていたのに、突然パタリと来なくなったと思ったら、この返信。
何かあったのは間違いない。
だが何も言ってこないのはおかしい。
俺に隠し事をすることはないはずだと、自惚れでなく分かっている。
でも、たまに、あいつは心を閉ざすことがある。
何も言ってこないのは、言うほどのことでもないのか、言えなくなっているのか。
どちらにせよ、俺が知らないことがあるのは気に食わない。
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