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俺が眼帯に手をやったのを見て、外すと思ったのかみんなの視線が刺さる。
しかし何があろうとこの眼帯の下を露わにするわけにはいかないのだ。
なぜならこれは、
「この眼帯は……俺の左目に宿った悪しき力を封じるためのものなんだ……」
「……は?」
「病……と言えばそうなんだろうね。呪いという名の病に侵されているんだ」
「……えーと」
「俺、みんなを傷付けたくないから……この眼帯は絶対に外せない。この封印がないと、俺自身この左目の力を抑えることが出来ないんだ」
「…………」
「だから……あまり俺に近付かない方がいいよ」
痛む胸を押さえ、心とは裏腹に突き離すように言う。
俺は生まれながらにして知ってしまったのだ。
自分の体の内に秘められた、強大で残酷な、闇の力の存在を。
この左目が解放されたとき、破壊が始まってしまうに違いない。
それは例えるならば破壊神シヴァのように——……
俺は俺自身の弱さ故にそれを止める術を知らない。
人を守るためには、近付かないことしか、俺には出来ないのだ。
全てを諦めたような儚げな笑みを浮かべた俺に、みんなは数秒惚けて固まった。
((((こいつ、厨二病だ))))
その時、その場の全員の心の声が一致したことを、俺は知らない。
これでここでもまた俺は1人か……と気持ちが下降していったとき、ガシリと俺の手を両手で掴む者がいた。
柳くんだ。
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