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「体育祭、終わっちゃうね。」
「そうだね、なんか凄い早かった。ってか濃い1日だった。」
「確かに。まだ高校始まって2ヶ月とか信じられない。」
「もう進級してもいいかなって思う。」
「本当それ。」
谷地島とそんな馬鹿な話をして、笑って、戻ってきた皆を迎えた。
今日1日分の得点を集計してる放送席は慌ただしくて、その間各色それぞれわいわいとおしゃべりしていた。
眩しかった太陽も、夕日に変わる。早い1日だった。
「久夜!!お疲れ様っ!!」
「……あぁ、ありがと。」
「元気、ないね。どうしたの?」
走り終えて、席に戻ってきた久夜に声をかけてみても、思った反応は返ってこなかった。
……何かあったのかな、俺が何かした、とか?
思い当たることはないけれど、もしかしたら無意識のうちに傷つけたのかな。
「そんなことないで。同着ってのが気に入らんけど、一応1位とったしな。」
そう言うわりには元気がない。
でも、それ以上何も言えなくて、無言の時間がただ流れていった。
『生徒の皆さんは自分の席についてください。
これより、第56回体育祭閉会式を行います。
表彰。結果の順位を発表します…………………』
盛大なお祭りのあとの、一転としたガランとした静けさが昔から苦手だった。
つい一時間前まではどんちゃん騒ぎだったグラウンドはほぼ全て片付けられていて、人は誰もいなかった。
閉会式のあと、教室に戻って短いHRしたあと解散になって、俺は静けさの残るグラウンドの横を、久夜と一緒に歩いてた。
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