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「梁瀬、ほんまに俺でええの??
お前は氷野が好きやったんやろ??」
「あぁ。好き‟だった”よ。でも今はお前が好き。それに俺は久夜がいいよ。」
だって、本当に好きだって思ったのは、久夜。お前だけだから。
…言わないけど。
彼方は俺にとって弟みたいなもので、大好きだった。
色々あって、彼方の方が何倍も遠くへ行ったけれど、それでも変わらないって信じたかった。
だから彼方への思いを勝手に好きにすり替えた。
だってそうしないと、俺がもたなかったから。
でも本当はそれはきっと間違ってた。
「…ありがとう、梁瀬。」
「それはこっちのセリフ。ありがとう。好きだよ、久夜」
「俺も、好きやで。」
日も落ちて暗くなった道を2人で歩く。
彼方とは今度ちゃんと話そう、なんて考えながら。
触れるか触れないかの距離にある手を、つなぐことはまだないけれど、まだまだ始まったばっかのこの恋を、俺はゆっくりでいい。大事にしていきたいって思った。
「そう言えば、リレーの時カッコよかった。」
「梁瀬の声、ちゃんと聞こえたで。やから最後頑張れた。」
「ほぼ同時だったもんね。」
「やっぱあいつ速いな、さすが、全中100Ⅿ1位なだけあるわ。
まっ、次は負けへんけどな。」
「…次は俺も一緒に走りたい。」
「せやな。」
~END~
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