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「梁瀬。お前は優しいから、きっとたくさん考えてくれてるんやろな。
でもな、俺はお前の悲しい顔が見たいわけやないねん。
前にも言ったやろ?笑っててほしいんや。」
「でも…!!」
「今梁瀬が優先すべきは、俺のことやない。
テスト、やろ?ちゃんと復習して、もっかい解きなおししとき。
梁瀬なら大丈夫やから。」
…どうして明日は土曜日なんだろう。
まだ久夜に言いたいことがあるのに。
久夜との間に一線ひかれて、突き放された気分だ。
駅についた後の別れ際の久夜の顔は、感情のこもってない笑顔だった。
……そうだよな。俺が何か言えることじゃない。
さすがに家のことまでは口をだすべきじゃない。
…分かってる。そんなこと。
土日のテスト勉強はほとんど手につかなかった。
出来る限り暗記物をやって、頭を埋め尽くそうとしたけど、あまりうまくはいかなかった。
あれだけ早くきてほしかった月曜日も、近づくと少し不安になる。
普通に、今まで通りが、中々難しい。
「梁瀬、おはよ。」
「おはよ。」
「ちゃんと復習したか?」
「多分物理は大丈夫…って信じたい。」
久夜にあってしまえば、俺の不安はどこかへ消えていった。
久夜が普通なら俺もそれに応えるだけだ。
大丈夫…だよな?
いつか、話してくれるって、言ってたし。
今は待つ時なんだ、きっと。
「落ち着いて、問題文の数字を抜き出すんやで?公式は始まったら全部書き出すんがええかも。」
「わかった。頑張る。」
たくさんアドバイスをくれる久夜。
真面目で、どこまでも優しいやつ。
…一週間のテストの手ごたえはなんとも言えず、だった。
返ってくるのが不安。
物理に時間をかけたせいか、完全に数学Ⅰが勉強不足だった…
赤点じゃないといいけど。
赤点を一つでもとると補習になる。
ちなみに赤点は平均点の半分以下。
数学と物理基礎は以外は平気だと思うけど、その二つが危ない。
「久夜は余裕そう。」
「何が?」
「赤点とかなさそう。むしろ全部高得点とってそう。」
「どうやろなぁ~」
テスト最終日の放課後は、久夜と昼ご飯をファミレスで食べながらそんなことを話した。
明日からはまた部活だし、忙しくなる。
…ここまで休んじゃうと、早起きとかきついなぁ。
でもまぁとりあえず、初テスト期間も終わって一安心、かなぁ。
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