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「あのさ、久夜。」
「ん?」
「俺、今度…久夜の家、泊まりにいきたい。」
「…マジで?」
「うん。マジで。」
何にそんなに驚いたのか、久夜は教室の前で足を止めた。
…ずっと考えてた。
久夜の家事情に無理やり介入するつもりはない。
だけど、久夜のことで悲観するのは、多分久夜にも失礼なことだから。
俺はできるだけ楽しいことを久夜と一緒にしていきたい。
新しい思い出を、久夜と作っていきたい。
あの家を俺が苦手じゃなくて、好きになりたいんだ。
「…あー、もう、ほんっと…」
「えっ!ちょっ、さすがに教室の前で抱きしめるのは…っ!!」
やめて、と言う前に、口を塞がれた。
もちろん、久夜の唇で。
「ンっ…ちょ…、っぁ…ンんっ…!!」
そのまま、公衆の面前でディープキス。
…ありえない。
「梁瀬、悪かったって。ごめんな?」
「謝るぐらいならするな!!」
朝で人が少ないとは言え、普通に人がいた。
しかも教室の前だ。他のクラスの人間もがっつりこっちを見ていた。
死にたい。恥ずかしい。死にたい。
久夜を全力で殴ってからすぐさま教室に入る。
机の上に伏せるとすぐに、久夜の焦った声がした。
必死に謝る久夜を無視して、泣きたい気持ちを抑える。
…久夜とのキスは嫌いじゃない。
むしろ好きだ。…だけど、今回はそうゆう問題じゃない!!
「やーなーせー、ごめんな?嬉しくてつい…」
つい、で済まされるなら警察はいらない!!
別に隠したかったわけではないけど、こんな形で広がってくのが嫌だ。
噂は脚色されて広がってくから。
「あ、お前ら今の後から来た奴らには内緒な?梁瀬が泣くから。」
「ちょっ!どうゆうことだよ!」
「みんな、お願いな。」
教室にいた、一連の出来事を見てた男子たちがコクコクと頷く。
「これでええ?俺的にはバラしてもかまわんのやけどな。」
「はぁ…これからは気をつけろよ。」
「わかっとるって。」
…全然安心できないんだけど。
しょーがない。
とりあえずここに、谷地島たちがいなくてよかった。
いたら絶対いじられてた。
こうやって俺はまた、久夜が好きって思いに負けるんだ。
…絶対勝てない。
色々ありながら俺の高校最初のテストは終わった。
ちなみに、物理も数学Ⅰも無事赤点は回避できた。
日本史に関しては、久夜よりも高くて、クラス1位でしたよ。
…頑張った、俺。
おわり。
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