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あれから1週間が経った。
先週、久夜にlineを聞いたのはいいものの、久夜が言いかけたことは教えてくれなかった。
久夜曰く、まだ言うんには早かった、らしい。
だからそのうち教えてくれるだろうと思ってる。
仮入部の期間も終わって、昨日本入部を済ませた。
今年のバスケ部の新入部員は俺を入れて、37人。
三学年合わせて、114人と言う大人数になった。
「梁瀬、見たか?これ。」
授業も始まって、一時間目が始まる前のちょっとの時間に、久夜が朝配られた校内新聞を見せてきた。
それには昨日本入部を済ませた際の、各部の部員数とかについて色々書かれてた。
「へー、サッカー部多いな。」
男子校なせいか、運動部の人数はどこも似たようなもので、バレー部とバスケ部と野球部とサッカー部の4つの部活が部員が100人を越えたらしい。
一番多いのはサッカー部で147人…超大所帯だ。
校内新聞によれば、部活の加入率は80%を越えているらしい。
皆結構部活に入るんだな、と俺は一人感心していた。
部活数も多い分、皆好きな部活に入れるのが一番のポイントだとも新聞に書いてあった。
「あとな、陸部にめっちゃ速い1年が入ったらしいで。1年でも3年と同じか、それ以上やって言われてて、なんか外見とかもいいから、もう陸上部のプリンスなんて呼ばれとるらしいわ。
つけたやつらもおもろい名前つけたよな。」
「なんだそれ。」
「もうエースらしいで。」
「ふーん、すげぇんだな。」
「あんま興味ないん?」
「…………」
興味があるかないかなら、ある。けど、だからなんだ、と言う気持ちの方が大きいだけで…
陸上部のプリンス、とかあいつの方が似合いそうだな、とか、そうゆう余計なことの方を考えてた。
「梁瀬は時々分からんなぁ~」
「俺?なんで。」
「んー、梁瀬って変なやつやなぁって。」
「お前に言われたかねーよ。」
校内新聞を久夜に返して、教科書を取り出す。
一時間目は数学だ。嫌いじゃないけど、好きでもない教科。
すぐに教科担当の先生がきて授業が始まる。
中学の時より短くなった授業時間はちょっと楽で、一時間目はすぐに終わった。
「次は世界史…かぁ……暗記苦手なんやけど…」
目の前で小さくぼやいた久夜に、声に出さないように笑う。
久夜って真面目なんだな…
適当に授業を受ければ、あっという間に午前の授業は終わった。
「梁瀬、俺今日は購買いかなあかんねん。ちょっと待っとって~」
「あぁ。」
午前の授業が終わってすぐに久夜は購買に走る。
今日はお弁当じゃないらしい。
俺は弁当を広げて久夜を待つ。
学校が始まって1週間。
変わったことは特にないし、部活も楽しみだ。
なんのことはない、普通の高校生活。
……いや、特殊なことなんてなくていい。今のままでも十分楽しいから。
楽しい、はずなんだけど………
「やっぱり、俺……」
引き摺ってるんだよなぁ……あいつのこと。
「待たせて悪かったな、さっ食べようや。」
「あぁ。いただきます。」
こうやって久夜と昼ごはんを食べるのも6回目。
パンを食べてるのは初めて見るけど、食べる量が俺とは全然違う。
お弁当の時とか、俺の2倍くらい食べてるんじゃないかって思う。
やっぱ身長が高くてガタイをよくするためには、それくらい必要なのかと思うくらいには久夜はよく食べる。
「んー?どうしたん?」
「よく食べるなーって。」
「普通やって。梁瀬の方が少なすぎんねん。よくそんだけで身長伸びたなぁ。」
「うっせ。」
頭をポンポンと叩かれる。
お前よりは小さいけど、普通よりは小さくねーよ。
身長なんて、高ければ問題ないんだっつーの。
「機嫌悪くなった。」
「………」
「梁瀬ー、怒らんといて。」
「怒ってない。」
久夜より小さいのは事実だし、別に気にしてない。
気にしてなんか…
「梁瀬。」
「……え?」
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