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『これより第56回、体育祭を開会します』
雲1つない快晴の中、体育祭が始まった。
ここ1週間は色別で練習が始まったりとか、部活で練習試合をしたりだとか、色々あったけど、とりあえず無事体育祭を迎えられた。
長い校長の話を聞いて、生徒会長の長い話、実行委員からの注意事項が終わると、やっと競技に入れた。
「我らが赤団に敵はない!!目指すは優勝だけだ!!!!」
「「「「「「「オオオオーーー!!!!!!」」」」」」」
俺たち4組は赤団で、前では3年生の団長さんが皆の指揮を高めてる。……とりあえず熱気が凄い。
右隣の3組の緑団と左隣の5組の紫団からも似たような声が聞こえてきて、段々と体育祭感がでてきた。
俺のテンションもちょっと上がってきて、楽しくなってきた。
「梁瀬、リレーの召集かかっとる。行くで。」
「あぁ。」
クラスリレーの予選は午前の一番最初にやって、本選は午後2つめの競技になってる。
色別リレーは午前最後に予選で、午後の一番最後に本選だそうだ。
ちなみに、午後の最初は騎馬戦から始まる。
とりあえず、リレーの予選は全部共通で1~5組と6~10組で別れてるらしい。
バトンパスの練習は十分した。前に久夜もいるし心配はしてない。
他のクラスがどれくらいなのかは一切分からないけれど、まぁ予選は勝てると思う。
「とりあえず予選突破はノルマやな。」
「6位でもいいから滑り込みたいね。」
「まぁどうにかなるだろ。」
「そうそう。なるようにしかならないって!」
入場するまでに、6人で円陣を組む。
皆そんなに緊張してないし、1走の谷地島に限っては緩い。いつものことながら緩い。
……まぁ緊張するよりはいいことだよな。
靴は公平を期すために学校指定のグラウンドシューズ。
上下は体操着だからそれなりに動きやすい。
団の色である赤のハチマキを巻いて、入場する。
「氷野はこっちやないんやな。」
「8組って、織部が言ってた。」
「ふーん。まぁとりあえず、そっちで待っとれ。どうせなら1位で予選突破したいやろ?」
「転ぶなよ。」
「転ばんよ。」
ヒラヒラと手を振って、逆方向に向かう久夜。
織部と都賀と同じ方の俺は、織部がレーンに並んで、向こう側では谷地島が用意をしてる。
なんか、変な緊張感がでてきた。
『予選1組、位置について………よーい…』
----パンっ !!
ピストルの音と同時に谷地島が走り出す。
さすがクラス2番目と言うべきか、早い。
本気には見えないものの意外と他のクラスと差をつけて、バトンは織部へと渡った。
織部からはオープンになるから、走り辛そうと思ったけど、谷地島のリードのお陰で余裕そうだ。
そのまま佐山、都賀、そして久夜にバトンが渡される。
久夜は広がったリードに、力は抜いてないけど、本気で走ってもいない。
トラックの一番内側に立って久夜を待つ。
タッタッタッタッ、と言うリズミカルな足音に、大きく息を吸い込む。
……まだ、余裕だ。
「梁瀬!」
久夜の声に腕を上げて走り出す。
綺麗に手に収まったバトンを握りしめ、後方に人がほぼいないことを確認して、疲れない程度に本気で走った。
……久々に、走ったかもしれない。
----パンっパンっ !!!!
白いゴールテープを切ってゴールした。
そのあとに何人もゴールを抜けていく。
予選とは言え、中々にいいタイムだったと思う。
本選はもっと早くなりそうだし、予選に文句はない。
「はーい、お疲れー!!」
「お疲れ!!いやぁ、谷地島早かったよ!凄い早くて、俺も走りやすかった。ありがとう!!」
「んー。お礼は1位とったらねー」
「羽桜も廣川もお疲れ!!」
「都賀も佐山も、織部も、みーんなお疲れさん。まぁ予選なんてこんなもんやろ。皆の本気じゃなさそーやし。退場するで。」
なぜか久夜に仕切られ、退場する。
それと同時に次のクラスがでてきて、そこには青のハチマキをした彼方もいた。
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