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「お前、大丈夫か?立てるか?」
「う、うん……ぅ、イタッ」
うつ伏せに倒れている中学生を起こせば、損傷した部分が痛みかくん、と力が抜け落ちる。
真はそれを支えてやれば、嫌でも目に入る損傷した部分。
「あー、こりゃ派手にやったな」
どう考えても転けて怪我をしました、というレベルではない。
膝が抉れている。
中の肉が完全に外気に触れているのだ。
これは、見ている真にも痛みが伝わって来そうだった。
真はとりあえず自転車を端にとめなおし、その中学生を横抱きにする。
向かうは自宅だ。
「え、に、兄ちゃん?!」
「おぶってやったほうが良いだろうが、それは俺もお前も都合が悪いだろ。嫌かもしんねーけど、家すぐそこだから、ちょっと我慢してな」
そう、おぶれば、抉れた部分があちこち真の体と接触し、痛みを伴う。
痛みどころではなく、激痛だろう。
そして、真もその血が服につく。
だから、横抱きにした。
それだけだ。
「それ以前にガキでもない僕を助けることに、驚いたんだけどな……」
抱き上げ瞬間に思った、中学生の尋常ではない軽さに驚けば、彼はそんなことを言う。
真は"変なヤツ"。
その印象で終わってしまっていた。
家についてから、中学生を横抱きにしたまま風呂場へ直行。
浴槽の淵に座らせ、真はシャワーの水圧を弱くして菌を洗い流す。
「うぁぁぁっ……いた……ぃぃ」
「ごめんな、もう少し、頑張れよ」
ついつい謝ってしまう程、中学生は涙を流しながら痛みに耐えている。
その痛みを一人で、我慢を強いられている。
こういうのを母性本能と言うのだろうか。
浴槽の淵に座らせていた中学生を、ゆっくりと直で床に膝をついている真のところへ移動させた。
痛みは変わってやれないが、安心を与えることはできる、こう考えたのだ。
「俺の袖、掴んでていいから、力いれろ。あと、膝をみるな」
「……ありがとう。兄ちゃん」
「……っ……」
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