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思わず真は中学生が向ける視線からそらした。
生唾を飲み込み、もう一度ゆっくりと、中学生を見る。
傷に目を背け、真の胸で痛みを耐えている。
おまけにしっかりと袖と胸の辺りの服を握りしめている。
痛みの根元はシャワーをかけている真なのに。
安心を与えてやることができたのか、膝の上に乗せてやっても不審に思われなかったようだ。
真の胸にすがっている中学生がとても愛くるしく思えた。
こんなに素直な中学生は、稀有だ、と。
その後も痛がりながら、なんとか手当ては終わった。
本当は、真っ先に病院へ連れていくのが正解だったが、中学生に意識が向きすぎたのか、母性本能に擽られ母性的に行動してしまったのか、素人の真が手当てしてしまったことに、後から後悔した。
しかし、最中に"バカ優しすぎる兄ちゃんだね"とふんわり笑う中学生に見とれてしまったことは、真の中だけの秘密だ。
今思えば、彼のSOS 信号は既に発信されていた。
中学生に見えない小ささと、それでも大人にほぼ近い真を魅入らせる純粋な笑みに誤魔化されたように、名前を聞きそびれてしまった。
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