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2きっかけ
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学校帰りの神社へのお参りは、俺の習慣。
親戚を盥回しにされる、嫌な気持ちは全て神様に預けることにしてる。
そうでもしないと……普段が普通でいられない気がして……。
幼い頃、俺に物心がつく前に、両親は俺を捨てた。
どうやら暴力を受けていたらしい事は、親戚の話で3つの時には知っていたし、自分の身体にある傷や痕にも納得していた。
表立って大きく目立つ訳では無い、太ももの内側についた傷は、両親の陰湿さを表しているようだった。
別に、捨てた両親を苦しく思っている訳では無い。恨んでいる訳でも無い。
どうせ、捨てたんだから、両親に気持ちなんて必要ない。
ただ、これはきっと、神様が仕向けたことなのだと思っている。
神様がしたのならしょうがない。
そうすれば、当たり用のない思いは神様にぶつければ気が済むのだ。
参拝をすませ、登ってきた石階段を降りる。
1歩1歩下がる度、またあの喧嘩の家に帰らなければいけないのか……という、薙ぎ払ったはずの嫌な思いが込み上げてくる。
どこかへ行ってしまいたい────────
ビュッ
「うわっ!!」
突然強い風が吹き、俺はぎゅっと目を瞑った。
その時────
ズルッ
「っぁっ……?、」
足が滑ったようで、視界が青空を映す。
転ぶっ────────────
さっきより身体は強く身構え、一瞬で空に倒れた
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