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29身長とからかい
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この先の廊下にいるであろう邦之を覗いた。
邦之は手を伸ばしただけで、天井をパタパタとはたいている。
くそ……寧ろ手が余ってる……。
肘は緩く曲げて動かされる。
余裕っぽい……!!
ちょっと、いや、かなり悔しく思いながらもそっと近づく。
「邦之……」
「楓……?何」
ふっ、と俺の声に気づき、手を止めてこっちを向いた。
「あの……あの〜……」
くそっ、自分で『届かない』とかいうの惨めすぎて嫌だ!!!!!!!!!
もごもごしていると……
「あー、届かないとか?」
クスッ
ハナ笑と同時に貶した言葉が胸に突き刺さる。
「……そんなにハッキリ言わなくてもいーじゃん……」
ちょっと、傷つきながらも言葉を返す。
元々……こんなに小さいのには訳があるんだし……。
「はいはい。悪かった。手伝ってやるから」
そんなに悪びれてもない感じで、邦之は俺の掃除場所に歩き出す。
ムッとしながらも、俺もあとを付いた。
で────
「なんでこうなるの?」
俺は何故か、邦之に抱き上げられていた。
「俺がやるのは嫌だ。それに楓の仕事場」
うっ……そうだけど……。
「早くしろ。俺も掃除はあるんだ」
「ご、ごめっ」
ちょっと、睨まれて、一瞬怯んじゃった。
俺はとりあえずしょうがないからそのまま天井をはたいていく。
「埃かぶってない?」
「これぐらい仕様が無い。」
邦之はせめてもと、顔を上に向けない。
俺は見なくちゃ掃除できないから、なるべく手の一番遠い所をパタパタ。
「邦之、左ずれて」
そういうと、無言でずれてくれる。
────右に。
「…………なんでそう天の邪鬼なんだよ!!」
「文句があるなら今落としてもいいぞ」
くっ……それは困る……。こいつ頭が回るな。悪知恵がすごい……。
どうせ後で右もやらなきゃいけないんだし、とりあえずこっちをパタパタ。
それから、なんとか邦之を操作し、天井は終わらせた。
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