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長兄松 - 遅松 × 唐松 - ( おそカラ ) 【 6 】
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「 遅松 、 其れは ... どう受け取ればいいんだ ? 誰でもいいからそう教えて欲しいというのか 、 俺だから ... その 、 教えて欲しいというのか ... 」
じ 、 っと相手を見据え一切視線は逸らさない 。 曇った瞳を泳がせて俯く遅松 だが 、 此方が話し終わったのとほぼ同時に己の方を向く 。 そして ゆっくり口を開き 、 遅松も此方をじっと見る 。
「 お前だから ... なんだけど ... まぁ 、 あれだよな ... まだ会って 1日くらい ? しか経ってないし 、 可笑しいよな ... ってことで 、 さっきのは忘れて ? 」
何処か悲しげにそう言う遅松の瞳にはうっすらと涙が浮かんでいた 。 お地蔵様に手を合わせてそそくさとこの場から立ち去っていってしまい 、 止める隙などなかった 。 可笑しいなど思っていない 、 逆に嬉しかった ... 。 一目惚れ してしまった相手からだったから 。
" 如何にか伝えたい 、 けど ... 今何処に ... "
" 空から見れば ... "
男に化けるのはやめ 、 黒い大きめの羽を広げる 。 そして 上へと飛び 森を抜ける 。 こうすれば遅松が見つけられるのではないか 、 と思って行動に移したものの 木々が邪魔で何も見えない 。
「 遅松 !! 」
ゆっくり下に降り 、 名を何度も呼ぶ 。 すると 、 目の前に 狐の尾を4本ゆらゆらと揺らし 、 赤い着物 、 狐耳 のある妖怪が立ち止まる 。
" やっぱり分かりやすい "
止まった相手は遅松 。 案外近場に居て飛ばなくてよかった 、 と若干後悔してしまう 。 けれど 、 遅松が見つかってよかったと安心する感情も混じり曖昧な表情が出来上がる 。
「 唐松 、 俺に何の用 ? 」
「 さっきの話 、 なんだが ... 」
「 さっきのは忘れろって 、 絶対可笑しいから 」
話すにつれて次第に声が震えていく相手 遅松 。 でも 、 己の気持ちを伝えるまでは引き下がれない 。
「 可笑しくない ... !! 一目惚れした相手に言われたんだ 、 嬉しい以外 何にも思わない !! 」
「 一目 ... 惚れ ? 」
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