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速度松 - 著炉松 × 遅松 - ( チョロおそ ) 【 3 】
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「 これは ... 」
小さく呟いた言葉など聞こえていないようにチョロ松という自分の弟であるらしい相手はどこか悲しげな顔を浮かべ目をそらしていた 。 一切こちらなど向かず 、 相手も小さく呟いた 。
「 違うなら帰っていいよ 、 送っていくから 」
「 チョロ松 ... 」
" やっぱりどこかに行ったのか " なんて読み取れるその表情は見てる自分でも悲しく思えてくる 。 いっそ 、 相手の兄となろうか 、 と考える 。 でも 、 そんなんじゃ意味などない気がする 。 やっぱり大切な兄がいなくなってしまい 、 そうだと言った奴が偽物なんかだったら嫌だろう 。
「 なぁ 、 チョロ松 」
「 僕の名前なんか知らないくせに 、 そんな気安く呼ぶなよ ! おそ松兄さんなんかじゃないんだろ !? だったら 、 さっさと帰って ! 」
__ なんだか懐かしい気もする 。
ふと思った事で一気に書き換えらえていたと思われる記憶が戻ってくる 。 自分は 松野おそ松 で 弟は 5人 ... 。 チョロ松は大切な相棒 。 そして 、
__ 好き " だった " 相手 。
今更 『 思い出した 』 なんて言っても信じてはくれないだろう 。 若干怒らしてるし 。 でも 、 とりあえず試してみよう 、 と口を開く 。
「 チョロ松 。 」
「 だから ! そんな気安く呼ぶなって言ってんだよ ! 」
「 チョロ松 !!! ... 人の話も聞けよ 」
「 ... どうせ違うんでしょ 、 僕の単純な勘違いだったんだよ ... 巻き込んでごめん 」
人の話を聞けって言ってても全く耳にしようなんてしない相手 。 遂には泣き崩れる 。 大切だったもんな 、 と昔のことが思い浮かぶ 。
「 ... 上手く書き換えられてた記憶が全て戻ったよ 。 チョロ松 、 泣くな 。 お前の兄ちゃんは此処にいるから 。 」
そっと頬を撫でて此方を向かせる 。 けれど半信半疑なのか頷きもしない 。 相手の表情に浮かんでいるのは " 本当なの ? " って疑っている状況 。 どうしたら信じてくれるのかと考えたりするものの 思い浮かぶわけなどなく此方は困り顔を浮かべる 。
「 おそ松 、 兄さん ... なの ? ... 僕の事 、 わからなかったのに ... ? 元気付けようって嘘つかなくていいから ... 本当の事言って ... 、 違うって 、 言って ... 」
「 だから ! お前の兄だって ! なんでそんなに怪しむんだよ 、 中々認めてもらえないの嫌なんだけど ... あ - 、 知らないふりしてたりしてたからか ... 。 あの人の前で普通に話ししたら何が起こるかわからないし 、 知らないふりしなきゃいけなくってさ ... 」
__ これで疑うようなら帰ろ 。 流石に辛くなるだろ 。チョロ松も俺も 。
相手を抱き寄せて頭を撫でてあげる 。 すると安心しきった顔を見せて 「 おかえり 、おそ松兄さん 」 と嬉しそうにしていた 。 こんな顔初めて見た気がする 。 と言っても一緒にいたの数年間だったし 、 すごく昔のことだ 。 もしかしたら見たことあるかもしれないけど覚えてないと思う 。
「 ... おそ松兄さん 、 このまま僕が拉致ったってことでずっと一緒にいて 」
「 連れ戻したのに拉致ったっておかしくね ? 」
二人で笑いあって 、 一緒に泣いて 。 そのままゆっくり眠りに落ちていった __ 。
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