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日曜日
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白「今日お父さん...?」
幸「うん、シロの事をちょうだいしに行くの」
白「お父さんもうあえない?」
幸「シロが会いたいって思ってたら会えるよ」
白「うん」
日焼け止めを体に塗りながら話す
整えられた髪の毛、しっかりサイズの合った服、少なくなった体や顔の傷、ガリガリだった細い体はきもち脂肪がついた。
会ったばかりの時よりも少しは健康的になったと思う
白を持ち上げて靴を履かせる
まだ指先にはテーピングがされていて爪ははえ揃ってはいない
この姿を見て父親はどう思うのだろうか。
フードを被せて外の黒い車に近寄る
「ゆき、準備は出来たか」
幸「章人(あやと)待たせたな。
すまん、車出してもらって。」
章「いいよ(笑)
俺とお前の仲だろ?
気にすんな。」
幼馴染みの弁護士。
同い年で実家が近所だったせいもあり仲良くしている。
こいつの父親が俺の両親の顧問弁護士だ。
こいつは俺の顧問弁護士になる予定になっていたりする。
後部座席に乗りシロの実家に行く
幸「ごめんな〜お前の車なのに窓にシート貼ってもらって...」
章「だから気にすんなってww
お前の顧問弁護士になる予定なんだからなったらなったで乗る回数も多くなるだろw」
二分くらいで白の実家につく
結構近い。
章「はい、ついたぞー」
幸「シロおいで」
車を出てシロを抱き上げシロの父親が住んでいるという部屋の前に行く
ぷるぷるとシロの手が震えていてやっぱり少しだけ恐怖があるのだと思う
握ると手汗が出ているのに冷たい
安心させるようにポンポンと背中を叩き地面に下ろすと俺が着ているロングコートの中に隠れてしまう
章「白夜くん、大丈夫かな?」
白「...は、い...」
章「じゃあ押すからね」
インターホンを押すとゆっくりと扉が開き出てくる綺麗な顔をした男
顔のバランスがシロとそっくりだ
「汚いですけど、どうぞ。」
コートの中に隠れてしまっているシロの手を引いて中から出して靴を脱がせる
自分もコートを脱いで手に持つ
「お好きな場所にお座り下さい...」
なんとも幸薄そうな人だ。
簡単に言えば未亡人のような雰囲気。
幸「失礼します」
「綺麗になったね...白夜...」
白「...っ...」
俺の少し後ろに座っているシロを見るとさっき外したフードを深く被って俯いていて表情はわからない
章「では失礼ながら会話を録音させてもらいます」
「はい」
それからお互い自己紹介をして話を進めていくが白夜の父親 秋山碧斗(あきやま あおと) は「はい」「分かりました」しか言わずあっさりと話は終わってしまった
章「では、碧斗さんは白夜くんに最悪2年間は近付くこと話す事は禁止されます。」
碧「はい」
章「白夜くんに言っておきたい言葉はありますか。」
その言葉を聞くとシロをじっと見て目を細めて笑う
シロから聞いていた話からは想像出来ないほど優しい顔。
父親の顔だ
シロを見るとポロポロと大粒の涙を流している
碧「白夜、ごめんね...
ずっと黙ってたんだけど白夜のお母さん。
写真は見せた事あるよね...」
白「...っ...(コクっ)」
碧「お母さんは居ないって言ってたけど
白夜を産んで誰とも会えない位体が弱ったんだ
だから、居ないって言ってた、黙っててごめんね。
一回遠目からでも会わせてやれば良かったね...」
幸「...今は...」
その言葉を聞くと笑って首を振った
碧「白夜の10歳の誕生日の時に亡くなりました。
それを、白夜のせいにして、でも自分の息子だから。
完全には憎めなくて...
イライラをぶつけて...
それで白夜が家から出てった日白夜と一緒に死ねば叶わなかった3人での幸せな時間が叶うと思って
本当に馬鹿ですよね...っ...ごめん...白夜っ...ごめん...
そりゃ嫌いになるよな...」
静かに涙を流して言う碧斗さん
でもシロは別に嫌いでは無いはずだ
俺の家に来てからも父親の話はポツポツと話してくれていた
その暴力の嵐の中で少なからずとも少しの愛は感じていたのだろう
シロの誕生日は必ず祝ってくれていた。
毎日痛かったけどお父さんは優しいと。
きっと僕のせいで怒りん坊になってしまった。
お父さんは優しいよ。
だから怒らないで
とシロは言っている
俺の所に来た時は「嫌いだけど分からない」と言っていた
暴力のない生活を過ごしていてその毎日を思い返したりしてシロなりに少しずつ心の整理をしてたりしたのだろう
俺はシロの思いを尊重して父親は責めずに余計な事は言わずにいた
白「僕...痛いの...っ...嫌だった...」
碧「ごめん...」
白「でも、お父さんは...嫌いじゃない...
...っ...お誕生日は...優しかったから...
また...前の...お父さんに戻ってくれたから...」
碧「...はくや...」
白「...だから...泣かないで...お父さん...」
なんか家族の溝が修復されているような会話をしているが俺は白夜をこの父親に返す気は微塵もない。
父親が息子を返せと言ってくるようならそれこそ裁判だ。
それ位考えている。
碧「...黒川さん...この間は失礼しました。」
幸「いいえ、お気になさらず。」
碧「たまにで良いので...白夜の事を教えてください。
嫌でしたら断っていただいて大丈夫です。
白夜を宜しくお願いします。」
立ち上がって深々と頭を下げる碧斗さん
幸「いいですよ。
写真も送ります」
章「良いの?こんな事言いたくないけど、問題起こすかもよ。」
幸「そん時はまたお前が弁護しろ。
白夜もまた会えるかって家でしつこかったんだ。
これ位良いだろ」
白「...っ...」
碧「ありがとうございます...!
ありがとうございます...!」
碧斗さんの本当の気持ちは分からない
もしかしたらその涙も演技なのかも。
でもきっと俺が思うに不器用な人なんだと思う。
許せないけど、白夜のため、しょうがない。
2年後会うためにも碧斗さんと連絡先を交換した。
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