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柏木
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さっきまで真っ暗だった部屋に、僅かな光が差し込む。
クソみたいな映像を延々と流され、嫌気がさしてた頃。奇妙なパーティも終わりを迎えようとしている時だった。
神崎か?
と思ったがどうも違うらしい。
あいつだったらこんなに静かに入っては来ないはず。じゃあ天使か?
それはわからなかった。
ただまぁ、圭が反応してないってことはそこまで危険な相手じゃないのかも知れない。
若干ふてくされてるのもあるみたいだけど。
「冬夜坊っちゃま、お迎えにあがりましたよ」
聞こえてきたのは年老いた男の声。本の数年前、親父がまだ家にいた頃に、慣れ親しんだ声で。
「柏木?」
「えぇ、柏木ですよ。ほら、早く出ましょう。お友達もご一緒に」
友達?あぁ、こいつらのことか。
「ほら、行くぞ」
「わーい、念願の外や!って冬夜、本当にお坊ちゃんやったんやね。庶民派過ぎて忘れとったけど」
なんかすごく失礼なことを言われた気がする。
まぁ、明らかに金持ちのボンボンみたいだって言われるよりはましなんだけど。
それはなんか性にあわない気がするし。
「アンタも行くんじゃないの?」
依然座ったままだった戦天使課課長サマにも一応声をかけてやる。まぁ、被害者同士だし。確認というか。
敵だけど、一緒に連れてってやってもいいかな、なんて。
「結構です。神様からここで頭を冷やしておくよう仰せつかりましたし」
本当に頑固っていうかクソ真面目っていうか。
「1発殴ったろーや、あの神崎!お前もむかつかん?っていうかやな、腹心やったら殴ってやんのも仕事やで?」
たまにはまともなこと言うじゃん。
なんて少しだけ感心する。
「そうですよ。相手を思ってこその行動なら躊躇しないでやってこそ、真の主従だと、私は思うのですがねぇ」
柏木も熱くなっている。
「真の、主従……」
なにかに目覚めた様子のミカ。
馬鹿なんじゃないかと思った。
「そういえばなんでここがわかったんだよ?」
ミカが立ち上がったのを見て、話題を変える。
あんな青春ドラマみたいな展開は避けたい。
「旦那様のご指示ですよ。そうでした、まだ仕事が残っていまして…」
仕事?
「なら場所を言ってくれたら俺たちで先に行ってるけど」
「いいえ、坊ちゃん方も一緒に、でございますよ」
俺達も?
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