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謎
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「灰吏、俺から言うのもなんだけど、春陽のこと、頼むな。アイツ、他人に関しては鋭いくせに、自分のことは鈍感で強情だから。」
夜、部屋に戻ろうと思っていると、いつもより早い時間に交代したらしい冬夜に、突然春陽のことを頼まれた。
冬夜がこんなことを言ってくるなんて珍しい。
なんて普段は思うところだが、今回は多分、夕方に春陽が言っていたことが原因だと思う。
偶然。本当に偶然、春陽が秋人さんと話している内容を聞いてしまっていた。
少し離れたところで、途切れ途切れにしか聞こえなかったが、多分大事な部分は聞いてしまった。
春陽が私に好意を寄せている。というところだけは。
春陽は私にとっての太陽だった。天界を、ウリエラを裏切ってこの地にきた私の、たった一つの救い。真っ暗闇だった俺の視界を照らしてくれた光。
この想いが、愛なのだと実感したのはいつだったか。
相当前だったかもしれないし、最近かもしれない。
でも、俺は何も言い出せなかった。
その眩いほどの輝きを、私は汚したくなかった。
男同士だからとか、年齢差とか、そんなことは全く気にしていなかった。
彼が受け止めてくれるのなら、私の溢れんばかりの愛を、すべてを、あの子に捧げよう。
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