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診察-灰吏
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「遅くなって申し訳ありません。部屋の準備はできましたよ。」
「あら、ホント?意外と早かったのね。」
「天原さん、ありがとうございます。じゃあ俺、荷物置いてきますね。」
「じゃあアタシも……」
「ダメですよ。先生は天原さんと話があるんでしょう?」
「本当?じゃあ部屋まで一緒に行きましょう。いいわね、天原くん?」
「はい。それでは行きましょうか。」
私は頷いて、リビングをでた。
▽
「さて、診察を始めるわ。」
そう言った薬利の周りには、車輪のような光がボウっと起きる。彼は目を閉じていて、一般的に言う診察という行為には似つかわしくないが、それで充分事足りている。
彼は悪魔。しかも薬学、医学の知識が豊富な。
人間の中では、特に男性を…なんていう記述もあるらしいが、それは単に、彼の性格のせいだと思う。
「うん、身体は大丈夫よ。って言ってももう堕天歴も長いしね。安定してるわ。」
「良かったです。これで私まで、なんて言ったら春陽が1人になってしまいますから。」
「でも、精神疲労が凄いわねぇ。んー、ひなが…そうなのね……。
あなた、自分から行かないと、逃げられちゃうわよ?」
「自分から、ですか。」
「そう、受け身の男はモテないわね、絶対に。いくらひなが頑張っても、今のままだと一方通行。ひなが可哀想じゃない。」
自分はすべてをお見通しだと言わんばかりに言葉を並べ立ててくる。すべてが図星で、言い返すような言葉は何も出てこない。
「んもうっ!そんな顔してるから良くないのよ。もっとシャンとしなさい!!」
あの後、先生から謎の錠剤とローションの入ったボトルを処方された。
錠剤がなんなのか聞いてみると、恋の薬、と返ってきた。すごく怪しいものだが、薬効を確認する前に何が何でも春陽に飲ませろ、という圧力に屈してしまった。
ローションは…流石に強引だと思う。
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