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公園と桜とボク5
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「ほら、いいよ。出して」
パンツを下ろされ、しょんぼりとしたペニスを握られる。気持ち悪い。かーくんとは違う節くれ立った指で摘まれると、涙が滲みそうだった。
それに、なんでボクは一度だけでもこんな人に抱かれたんだろう。
出せと言われてもどう出したらいいかわからなかった。力を入れてみても、緩めてみても、尿意のわりに少量しか出てこない。
焦って必死に力を入れる。男はそんなボクを馬鹿にするように笑い、再び首筋に舌を這わせた。
「苦しんでる姿もそそるもんだね。なんだか新しい扉でも開けそうだ」
「……ひら、くなら、一人で勝手に、どうぞ……」
「はァ?」
男は苛立ちまかせに玉の付け根を握り潰して、ボクの首を噛んだ。
「ひっ……!」
驚きと、痛みと、嫌悪感で体が強張る。なぜか股間からは、栓が抜かれたように勢いよく尿が漏れ出してきた。背筋がぶるりと震えアンモニアのにおいが上がってくる。
こんなに情けない状況なのにヒタヒタと足音がした。人に見られたらマズい。
男と同時に振り向くと、
「全く、アンタは襲われる趣味でもあんのか……?」
物凄く不機嫌な顔のかーくんが立っていた。静まりかえったトイレの中は、ボクの出す尿の音だけが響いている。
「そっ、そんな趣味、あるわけないじゃないですか……!」
堰を切ったように溢れ出した尿は止まらない。恥ずかしすぎてどうしていいかわからず、気付いたら男に肘鉄を喰らわせていた。
「ふぐっ」
崩れ落ちた男の指からペニスが自由になる。尿が小便器から溢れそうになり、急いで自分の指でペニスを握った。
男から自由になったのはいいけれど、この状況は一体どうしたらいいんだろう。
「見な、見ないで下さい」
止めたくても止められず、排水口に消えていく飛沫を見つめながら懇願する。
「別に見たくはないけど、また絡まれたら困るでしょ」
振り向いた先に、もうかーくんは居なかった。
かーくんは男のバックポケットから財布を抜き、免許証を取り出す。スマートフォンで免許証の写真を撮って、もう一枚、股間が膨らんだままの男を写真に収めた。
そして男の頬を叩いて起こし、冷たい笑みを浮かべながら画面を見せる。
“これで社会的に抹殺できるな”
その言葉を聞いた男の顔が青くなる。
「おい、待て!」
男は体を起こしてかーくんの細めのパンツを掴んだ。
「便所に這いつくばった汚い手で触るって、いい度胸してるじゃねぇか」
かーくんは遠慮なく男を蹴り飛ばし、もう一発、男の鼻先に足をめり込ませた。途端に白目を剥いた男は後頭部から倒れていった。骨とタイルが当たる鈍い音がする。
痛い。絶対痛い。
「いいんですか? 訴えられたりしたら困るんじゃ……」
「死んだらマズいけど、生きてるから大丈夫。出るとこ出たらデメリット大きいのはアイツのほうだし」
本当に大丈夫なんだろうか。死んだりしないだろうか。不安になりつつも、自信ありげなかーくんを見て、多分大丈夫なんだろうと自分に言い聞かせた。
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