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公園と桜とボク12※
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キスがしたい。さっきしてくれたから、セックスの時くらいはさせてくれるということだろうか。
「かーくん、キス、して……」
舌を伸ばしてねだった。かーくんは嫌そうに舌打ちをしたけれど、唇を合わせてくれた。舌が絡まる度に、頭の中でチュクチュクと水音がする。
かーくんとキスできるなんて思ってなかった。幸せで……、でもやっぱりどこか悲しかった。
喉の奥が詰まって唇を離した。かーくんの顔が涙で滲んで、ゆらゆらと揺れている。かーくんへの『好き』の気持ちが大きくなりすぎたみたいで、口に出せない分が涙になって出てくるようだった。
「ごめんなさい。泣くつもりなんてないんです」
顔をそむけて謝った。ギュッと目をつぶるのに、その隙間から涙がこぼれ落ちていく。
「……面白くない」
かーくんの不機嫌そうな声に、さらに胸が苦しくなった。
「そう、ですよね……。せっかくエッチしてくれてたのに」
「そういうところが、面白くない。してくれてたってなんなんだよ」
無理やり上を向かされ、舌が割り込んでくる。入っていたままのペニスで、遠慮なく奥をえぐられた。
「ただのセフレなら、毎週家に入れたりしない。それなのにトモさんはいつまでもウジウジしてるし、他のやつのチンポしゃぶろうとするし、そんなの面白くないだろ。……別に付き合いたいって言うんだったら、『いいよ』くらい言ってやるつもりだったのに」
中をえぐられる刺激と、思ってもみなかったかーくんの言葉で、何がなんだかわからなくなった。
なんとか快感に抗って、言葉を口にする。
「ボクのこと、少しくらいは好き……ですか……?」
「少しくらいはね。唐揚げの十分の一くらい」
たえず与えられる刺激のせいか、かーくんに好きと言われて感極まったせいか、声が震える。
「付き合ってって言ったら、本当に付き合ってくれるんですか?」
「試しに言ってみればいいんじゃない?」
いきなり口にするのは怖くて、絡めたままの指に力を入れる。かーくんはそっと握り返してくれた。
「好きで、好きで、仕方ないんです。ボクと付き合って下さい……」
「いいよ」
ぶっきらぼうに言ったかーくんは、照れを隠すようにさらに腰を強く打ち付けてくる。
絶え間ない快感に恐ろしくなるけど、好きな人に受け入れてもらってからの初めてのセックスだと思うと、すごくすごく、幸せな気分で満たされた。
***
帰りの車の中。運転中のかーくんに問いかける。
「夢、じゃないですよね……?」
「夢って言って欲しいなら夢って言うけど」
「冗談でもないですよね……?」
「冗談って言って欲しいの?」
「熱は……」
「ねぇよ。高速道路に放置してやろうか」
しつこく言うボクに、かーくんは助手席側の窓ガラスを下げた。轟音と風圧に襲われ、髪はバサバサになるし、呼吸ができなくて苦しい。慌ててボタンを押し窓ガラスを閉める。
高速道路に突き落とされたら大変だ。夢でも冗談でもないというかーくんの言葉を信じて、ボクは大人しくシートに背中を預けた。
―END―
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