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不毛な関係と恋心3
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峠の途中にあるパーキングエリアに車を停め、ラブホテルまで歩く。
各棟が分離していてガレージ直結型のそこは、オンボロだけどデリバリーヘルスを呼びやすいとか、男同士でも入れるからという理由で満室のことが多い。
ガレージに下げられたビニールカーテンをすり抜けた。そこに停められているスポーツワゴンに見覚えがあるような気がする。
いや、あまりジロジロ見るのはやめよう。
“車を知られても大丈夫”という程度には気を許して貰えたようで嬉しかった。その気持ちをボクは裏切りたくない。
1枚目の扉を開けて階段を上り、そして2枚目、部屋に続く扉に手を伸ばし、ノブを捻った。
当たり前だけど扉は開いて、ボクは恐る恐る足を踏み入れる。
ベッドに横になっている彼を見ても、これが夢か現実かよく分からなくて、声をかけることが出来ない。
気配を感じた彼がピクリと体を震わせた。
「……トモさん?」
三木友也だから、ボクは「トモ」で通している。不安げな彼の声を聞いて、慌てて口を開いた。
「あ、はい。すみません、トモですっ」
「良かった」
怯えたような雰囲気が無くなって、彼が噛み締めていた歯が緩んだ。
(こういう所は、たぶん、長谷川さんとは違う)
そうだよね、アイマスクまでしてこんな所に一人で居るなんて怖いに決まってる。ボクだって複数人に廻されるような趣味はないから、騙されたことを想像するだけで背筋が凍った。
心の中でもう一度「ごめんなさい」と唱え、
「……準備、してきますね」
彼が頷いたのを確認して、ボクはバスルームに向かった。
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