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「何か賭けるとか、どうかな?俺はまぁ、ハミド程お金持ちじゃないから、賭けるのもたかが知れてるんだけど。流石にチェスではハミドの方が全然強いのも、俺にいい勝負になるよう負けてくれてるのも、分かってる。でも、ハンデとか決めてさ、ハミドは遠慮なくガンガン勝ってくれていいし。」
やって欲しくて考えつくだけの誘い文句を並べると、ピクッとハミドが反応した。
「‥。賭けても、いいのか?」
おっ‥ハミド、食い付いてきたな。よしよし‥
「うん、でも何を賭けるかは前もって聞くよ?俺が勝ったらもう一回指して貰うから。ハミドは?」
ふんと鼻を鳴らして腕を組むとソファに寄りかかり、溜息を吐いた。
やっぱり俺の相手をして、だいぶ疲れているんだな。
でも、あとちょっとだけでいいからやってくれれば‥。
さっきの戦いが終わったあとで、ハミドが教えてくれたこうすればもっと早く勝てるから良かったという手があった。何とか勝ったけど、85点でしたみたいな答案を返されたようで、忘れないうちにもう一度同じように戦ってみて、もっと完璧に勝てるように指してみたかった。
もう一息なのに‥。
するとハミドは目を開けて俺を真っ直ぐみるととんでもないことを口にした。
「‥‥。ハンデか、そうだな。俺はキングとポーンのみで、他の駒は全部落としていい。例え一回でも負けたら朝までシオンのチェスの相手をしよう。だが、俺が勝ったらシオンは1枚1枚、身につけているものを脱いで‥全部脱いだら‥、子供じゃないんだから、この意味は分かるな?」
俺の片手を優しく取り、恭しく手の甲にキスを落とす。視線が合うとギラリとハミドの緑の目が光った、気がした。
子供扱いしないで欲しい。
つーか、俺といっこしか違わないじゃねーかよ!
急に、そんな事をするから、心臓が突然激しく動き出し、ふと別荘に来てからのすごく恥ずかしかった事が、モワッと浮かんできた。
黙り込んだ俺に「シオン?」と首を傾げる。
やめろー!俺の名前をベッドの上で、何度も何度も呼んでいた事を思い出す。
顔が火照り、誤魔化すように怒鳴った。
「ハミド、変態だなっ!最っ低ーー!」
ハミドは何を言われたのか分からなかったようで、口をえって形で固まってしまった。
が、一瞬でその顔はどんどん形を変え、凶悪そうなオーラと共にハミドは形のいい眉を片方だけあげてニヤリと笑った。ぞくりと背中から鳥肌が立つ。
「自信が無いなら、逃げてもいいぞ。こちらはキングとポーンのみで、戦力は無いに等しい。一回でもシオンが勝てば一晩中チェスに付き合う。お前は何枚服を着ている?服の下につけている?靴下で二回、ズボン、シャツ、下着の上下、あぁ、ネックレスもハンカチやらも、服に数えてやってもいいぞ。ざっと見積もっても8連敗か‥」
ふんっと、鼻を鳴らすと椅子から立ち上がり、俺を上から見下ろすようにジーと見る。
俺は上目遣いでハミドを見ているが、そんな、お願いって顔しても、このハンデ以外は受けつけないよと突っ撥ねられてる気分になる。
いやいや、残念だ‥と、両手を上げて伸びをするハミドが何だか憎らしく思えて…。
俺は「やるっ!!」と、勢いよく、挑戦した。
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